大楽
おはようございます。FirstMaker~希望のストーリー~。大楽聡詞です。この番組は、新しい時代を切り開き日本に新たな産業を起こそうとしている企業や研究者にスポットを当て、彼らが目指す未来をお聞きし、震災の復興、そして新しい産業のリアルタイムな情報をリスナーの皆さんに感じてもらおうという番組です。

田巻果奈です。よろしくお願いします。
大楽
よろしくお願いします。
田巻
3月下旬になりましたね。大楽さん、今年の桜の開花は早いそうですよ。
大楽
そうなんですよ。この間まで寒い寒いって思ってたらさ、もう春なんだよね。
田巻
あっという間ですね。なんと今年は東京の開花が昨年同様史上最速ということですがbayfmをお聴きの皆さんにとってはもう桜咲いてるよと言われそうですし、FM 岩手のリスナーさんにとってはまだまだ先の話だよという声が聞こえそうですね。
大楽
僕たちの出身地・福島県の桜の開花というのは、面積が大きいので一筋縄ではいかない地域でして、
田巻
そうですね。
大楽
まだ桜前線がね、南端のいわき市を皮切りに北上するんですけど、どうもね、あの福島市と郡山市白河市などは標高の関係からね、桜前線が南下するらしいんです。
田巻
標高も関わってくるんですね。
大楽
さらにね、会津地方での桜の開花はもうちょっとね遅いという。
田巻
でもポジティブに考えれば、福島県内をあちこち回っていれば、満開の桜を長い期間楽しめるって言う事ですよね。
大楽
かなりポジティブだけどね。
田巻
いやでも最高じゃないですか。
大楽
まあね、そうとも言えますよね。なんならですね、このラジオ聞いてるリスナーの方でね、千葉から岩手までのずーっと桜前線を追いかけるリスナーの方がいらっしゃいましたら是非レポート番組までお待ちしております。
田巻
お待ちしております。 大楽この番組はFM 岩手、Date fmエフエム仙台、ふくしまエフエム、IBS茨城放送、bayfm 以上太平洋沿岸5局をネットしてお送りします。
今日のゲスト:株式会社アイザック 馬場法孝さん
大楽
FirstMaker~希望のストーリー~。田巻さん、今日のゲストは福島県会津若松市にある会社なんですよ。
田巻
会津ですか。
大楽
はい。これまでは福島県の沿岸部、浜通りの会社をご紹介する機会が多かったんですけど、初めて、会津地方のご紹介なんです。株式会社アイザック総務部の馬場法孝さんにお話を伺いします。今回もですね新型コロナウイルス感染症拡大のためスタジオと馬場さんをオンラインで結びます。馬場さんよろしくお願いします。
馬場さん
よろしくお願いいたします。
田巻
よろしくお願いします。株式会社アイザックさんのご紹介をさせていただきます。本社は福島県会津若松市にあります。医療福祉ロボットや災害対応ロボットの授業を行っております。
AIZUK
http://www.aizuk.jp/
大楽
ということなんですけども、馬場さん、アイザックさんの会社概要というのをまず簡単に教えていただいてもよろしいでしょうか。
馬場さん
はい。弊社はですね、平成24年に創業したばかりの会社なんですけども、東日本大震災以降にできた会社でして、設立の母体として会津中央病院をはじめとして医療関連の大手の企業さん等々から出資をいただいて出来上がったロボット会社でございます。特徴としては大きく災害対応ロボットと医療介護ロボットの開発と製造と販売を行っております。特に医療介護の方では病院と連携して現場に行って本当に仕えるロボットを作ろうというところで開発を行っております。
大楽
あの、ロボットを開発する会社のですね、母体が病院ってすごく珍しいなって。
田巻
そうですね。初めて聞きました。
馬場さん
そうですね、もともとこの病院で今後将来的に人手不足っていうのが深刻化してくるだろうという考えが弊社の会長にもありまして、うちの会長がその親会社の会津中央病院の理事長でもあってですね、で医療介護業界で今後人手不足が加速していく中でロボットっていうのを有効に使っていけないからっていうところでこういった会社が設立されたというところですね。
大楽
なるほど。あとあの会津って言うとあの例えば僕の福島県の観光ガイドブックとか見ると一番最初に会津の特集があるんですよ。だから会津って言うとどうしても観光とか農業がメインだと僕は思っていたんですけど、製造業とかっていうのもいつぐらいから盛んなんですか。
馬場さん
製造業自体は一番古くは何ですかね、漆器業とかそういう江戸時代に町民に対して作ってたモノ作りとかがあったと思うんですけども、元々あの近年になってからも大手の企業さんがものづくりをするのに入るというか福島県でっていうのが結構多くてですね、我々もそのロボット開発やるんですけどもものづくりのところはお願いできる県内企業さんがいっぱいいてですね、会津にも。特に電子機器の企業さん、たくさん今もありますし半導体企業とか医療機器メーカーさんなんかもありますね。
田巻
会津地方は製造業が盛んだったんですね。
馬場さん
やっぱり観光がスポットを浴びていてなかなかスポットライト当たらないんですけども結構盛んにやってます。
田巻
知らなかったです。
大楽
それは知らなかったですよね。馬場さんが思ってる「これが会津だよ!」みたいなそういうのってありますか。
馬場さん
そうですね。やっぱりあの皆さん聞いたことあると思うんですけど会津大学っていうのが結構産業界のかなり大きな存在としてありまして、会津で何かビジネスやろうとした時に大学とコラボレーションしてっていうのは結構皆さん考えるかなとは思いますね。
田巻
会津大学って有名ですもんね。コンピューターの勉強してるんでしたよね確か。
馬場さん
そうですね、コンピューターの理工学部の単科大学なんですけど、これが結構あの実は総合大学ではないので、コンピューター専門の卒業生の漢字は結構世界的にも大きな大学で、また後ベンチャー企業に対しての支援とかも結構盛んに行っていてちょっと特殊な大学なんですけど、結構世界的に有名ですね。
大楽
馬場さん、あの会津大学のコンピューター理工学部といえばロボットの研究で有名なんですけど、もしかしてアイザックさんと関係があるんですか。
馬場さん
ちょうど6年前に会津大学さんと弊社で連携協定っていうのを締結しまして、そこから会津大学ロボットバレー創出推進事業という事業のに中に入れていただいてですね、そこでクローラーロボットの開発なんかを一緒にやってきました。
大楽
馬場さんはどんなお仕事されてるんですか。
馬場さん
はい私はですね、小型電動クローラーというロボットの企画とか営業をやらせて頂いてます。
大楽
すいません今ですね、おっしゃっていただいた言葉、「小型電動クローラー」これって何ですか。
田巻
初めて聞きましたね。クローラー。
馬場さん
なかなか音声だけで説明難しいところなんですけど日本語で言うと無限軌道のことなんですけども、例えば戦車とかをイメージしていただくと戦車動く時にベルトがあってそのベルトの中に車輪があって回ってるような動かす機械ですね。
RTM仕様災害対応 小型電動クローラロボット スパイダー(SPIDER)
http://www.aizuk.jp/spider.php

田巻
なるほど、ぐるぐる回ってるやつですね。
大楽
ガンダムで言うとガンタンクですね。
馬場さん
そうですね。
大楽
多分50代40代30代の男性はガンタンクでわかると思うんですよ。
田巻
私はちょっとわかんなかったんですけど。
大楽
でまあそのぐるぐる回るやつですね。
馬場さん
そうですね。タイヤだとやっぱりがれきなんかを走る時は難しいんですけどこのベルトでずっとぐるぐる回ってる所で走るとがれきの中を走ったりとかができるというロボットですね。
大楽
これ戦車のようなこのぐるぐる回ってる車輪部分ですよね、どこでも登れるような僕はイメージなんですけど、傾斜にしたらどのぐらいまで登れたりするんですか。
馬場さん
うちで実験したのは30°、傾斜度30°は上ることができて、あと階段、階段だと45°の階段が。
田巻
すごいすごい。
馬場さん
結構人間でも辛いぐらいの(傾斜)。
田巻
そのクローラーってどのくらいの大きさなんですか。
馬場さん
大きさは、よく荷物を運ぶ台車ありますよね、人が押して。あの上にちょうど乗るぐらいのサイズです。
大楽
あの僕が一度目にしたことがあるのが、電車のホームとかであの階段のところをクローラーが上がってきた、ジュースとかそういうのを乗せて上がってきたのを見たことがあるんですけどそういうイメージですよね。
馬場さん
そうですねああいうイメージですね。
大楽
そういうのってどういったところに使われたりするんですか。
馬場さん
基本的には階段を登ったり不整地を走ったりできるので、災害現場ですとか今福島県だと廃炉なんかに使われていたりですとか、廃炉、原発の廃炉ですね、作業に使われていたりですとか、あとこれは今あのまだ出来上がってはいないんですけど除草なんかでソーラーパネルの下草刈りとか、ちょっと車輪で行くには難しいなっていうような地形で走って何かタスクをするっていうようなところで使われています。
大楽
なるほどあの車輪だと除草した場合にあの刈った草を巻き込まれてしまうからですよね。
馬場さん
そうですね巻き込んだりですとか、あとはちょっとした段差を越えるっていうところが、車輪だとどうしても大きくないと越えられなかったりするので、ロボットのモーターで制御しながら不整地を走るんだと、タイヤよりもこういったクローラーの方が適しているっていうふうに言われます。
田巻
高さもあまりないんですかね、ということは。
馬場さん
そうですね、高さもひざぐらいですね。
大楽
そうすると50cm、60cmぐらいですかね。
馬場さん
そうですね。
大楽
あと先ほど廃炉内であの使われるということをお話しをされてましたがやはりあの人間が入りにくいところということですかね。
馬場さん
そうですね、やっぱり線量が高かったりとかあとは狭くて入れなかったりとかあと暗いところでも作業したりするのにも使われたりしてますね。
田巻
カメラがついているって事ですか。暗いところで。
馬場さん
そうです、カメラで周りの映像を見ながら遠隔操作するっていうロボットに。
大楽
やはり音声で伝えるのには限界があるので、ぜひアイザックさんのホームページもしくはですね私共のホームページ見ていただければと思いますので。
田巻
チェックしてください。
大楽
というわけでですね、後半も引き続き馬場さんにお話の方をお伺いしていきたいと思います。
小型電動クローラーロボット
大楽
今日は福島県会津若松市の株式会社アイザック総務部の馬場法孝さんにお話をお伺いしています。馬場さん、先ほどあの小型電動クローラーについてお伺いしたんですけど、通常だと、そのクローラー、キャタピラ部分っていうのは一つだけだったような気がするんですけど、あのサブクローラーというのもあるんですか。
馬場さん
メインのクローラーの前と後ろにさらに全部2個ずつサブクローラーっていうのがついていて、これが伸ばすとですねキャタピラ部分が長くなるといいますか、階段を登ったりする時そこを伸ばして倒れないように姿勢を保持する機能を持ってるんですけども。
大楽
メリットはどういった。
馬場さん
そうですね。傾斜のきついようなところで後ろに反り返って転倒してしまうようなリスクを軽減したりですとか、後はでこぼこしているような道でなるべくそのロボット本体の姿勢を水平に保って動くっていうようなことを実現できるものですね。なので手足のように考えてもらったら。あの動物みたいに前と後ろに手と足がついていて階段登る時はその手足を目一杯伸ばしてなるべく長くして安定して登っていくっていうような不整地なんかを走る時は手足を立てて障害物乗り越えてくる。
大楽
サブクローラーがバランスをとってくれる役目を果たしてるんですか。
馬場さん
そうですね、うまく先ほどのサブクローラーを使うと、30cmぐらいの段差も越えて行けます。一応防水にもなっているんで屋外での使用ってのも可能なんですけども基本的にまだ今のところは屋内が多いですね。
田巻
これってどのくらいの重さまで運ぶことができるんですか。
馬場さん
一応200 kgまでいけます。
田巻
200kg。なるほど。
馬場さん
これが結構うちのポイントといいますか、200kg運べるんですけど、上に何か乗せて色んな事するっていうようなことができるので、例えばセンサー、重いセンサーを載せたりとか腕をつけたりとかですね、いろんなものをつけて働くロボットっていうような。
大楽
今馬場さんの方からお話をお伺いしまして、アイザックさんのその特徴と致しましては、サブクローラーがついてる。そして防水だと。あと廃炉の中でも使えるように遠隔操作が可能だというのがありましたけど、これだけ付いてるとどうしても価格どのくらいなのかなっていうの気になってしまうんですよね。
田巻
気になりますね。
馬場さん
そうですね、大体のロボットってモーター1個あたり100万円ぐらいの金額になるんですね。でうちのロボットだとモーターが6個ついております。一般的な価格だと600万とかそのぐらいの設定になります。でさらに防水なんで相場では1000万とかそのぐらいの価格になるんですけど、そこをうちは350万円で販売しています。
大楽
それで成り立ってるんですか。
馬場さん
そうですね。結構この値段にできたのがやっぱり最初の頃から地元のものづくり企業さんと組んでやってきたってのが一番大きくてですね、なんかあのやっぱり量産が得意な企業さんなんですよねものづくりやっていく福島の企業さんって。我々はこの1個のものを作るっていう所に集中してるんですけど、彼らはいかに安く大量に作るかっていう視点でアドバイスしてくれるんで、なのでもともと最初の開発の段階から安く作るっていうところも染み付いてるといいますか、出来上がってみたらこれ世界一安いんじゃないっていうくらいの値段になりました。
大楽
そうなんですか。
田巻
世界最安ですか。
馬場さん
そうですね、我々が調べた中では、うちのこのロボットより安いのはないかなと。
大楽
そうなんですね。
馬場さん
その350万円のロボットができるまで丸5年ぐらいかかってます。
大楽
一般的に言うと短いということなんですか。
馬場さん
そうですね、じゃあそんなに劇的に早いかというとそういうことではないと思うんですけど、その要は誰がやってもそのぐらいかかるんですよね要するに。で、じゃあ売っていこうとした時に1台1000万くらいの価格になっちゃうんですけども、それをこの価格帯のこのクローラーがあると自社でじゃあゼロからやるよりこれ買って自分でやりたいことやった方がいいじゃないっていう提案ができると。
大楽
確かに。
馬場さん
そうですね。5年間みんな費やすのもったいないので、うちの買って好きなことやったらっていうそういうセールスになってます。
田巻
効率的ですね。
大楽
あと何かそういう企業が福島にあったっていうのは、福島県民の僕たちが知らなかったことなのでもっと声高に言っていいと思いますよ。
田巻
本当ですよ。しかも世界最安なんですから。本当に。すごいですよね。
大楽
まさかそんなところまで来てるなんて思わなかったですね。それが福島県から出てたっていうのが。
田巻
会津で。びっくり。
大楽
来週はですね具体的な用法であったりとか開発のきっかけなどですねお話をお伺いしていきたいと思います。馬場さん来週もよろしくお願いいたします。
馬場さん
よろしくお願いいたします。
田巻
よろしくお願いいたします。
エンディング

さあエンディングです。

あっという間ですね。馬場さんのお話を伺ってると、会津地方っていうのはどうしても観光に目を向けがちなんですけど、精密機械だったり電子部品などの製造業が盛んだったんですね。

確かに会津って歴史があるから観光かなと思ってたけどまさかそういう製造業があったりとかね、そこまでは全然わかんなかったですね。

わかんなかったですよね。それでその5年という長さがかかったって言ってましたよねそのクローラーに。

そうですね。

私個人的に5年ってちょっと早く感じたんですよ。もっとかかったのかなって。だからなんかその背景にはアイザックさんを始めその街の人みんな協力して一つのものを作り上げたんだなーって思ったらちょっと心があったかくなりました。

そうですね。確かにそうだな。色んな事を聞けましたよね。

ほんとそうですね。

そしてやっぱりあの小型電動クローラーの形、説明するのってラジオ難しい。

難しい。ほんとに難しい。画像見たらイメージつきやすいんですけどね。

そうね、クローラーにサブクローラーって言ってもうーん。これはほんと皆さん申し訳ない、ウェブサイトの方に写真を掲載しますので、そちらの方でご覧いただけます。

お願いします。
そしていつものように番組アシスタントは……