大楽
おはようございます。FirstMaker~希望のストーリー~。大楽聡詞です。この番組は、新しい時代を切り開き、日本に新たな産業を起こそうとしている企業や研究者にスポットを当て、彼らが目指す未来をお聞きし、震災の復興、そして新しい産業のリアルタイムな情報をリスナーの皆さんに感じてもらおうという番組です。

玉置果奈です。今週もよろしくお願いします。
大楽
お願いします。
田巻
早いことにもう三月ですよ。
大楽
早いなあ。
田巻
もう春って言ってもいい季節ですよね。
大楽
そうなんですよ。3月春って感じなんだけど三寒四温って言って、3日ほど寒い日が続いて4日間暖かい日が続くということ言うんですけど、朝晩ってまだまだ寒いじゃないですか。
田巻
寒いですね。
大楽
この時期寒さを感じるとね、東日本大震災、やっぱね、思い出しちゃうんですよね。
田巻
確かに、思い出しちゃいますね。
大楽
あの時もやっぱり寒かったし、やっぱり10年間本当にあっという間にここまできたなーってね。
田巻
ほんとあっという間ですね。小学5年生だった私もこの春で大学4年生になりますからね。
大楽
すごい、あっという間だね。
田巻
あっというまですよね。もうこの震災を通して、災害や減災への対策にも意識を向けるようになりました。なので今回のゲストテラ・ラボさんの取り組みすごい興味深いです。
大楽
田巻さんの場合だと、震災を体験してその後ご当地アイドルになって色んな所に行ってさ、いろんな人たちとも接して、やっぱそういったのを見てきてると思うんでね、いつにもなく番組に前のめりな感じでね、もう大楽おじさんとしてはほんと嬉しいね。
田巻
大楽おじさん?いや大楽さんはまだまだ若いんでね、頑張っていきましょう、今日も。
大楽
なんかすごく本当言葉に現実味がないと。
田巻
いやいやいや本当に思ってますよ。
大楽
がんばっていきたいと思います。
この番組はFM岩手、FM仙台、FMふくしま、IBS 茨城放送、bayfm以上太平洋沿岸5局をネットしてお送りしていきます。
今日のゲスト:株式会社テラ・ラボ 松浦孝英さん
大楽
FirstMaker~希望のストーリー~。今日は先週に引き続き愛知県春日井市の株式会社テラ・ラボ代表取締役松浦孝英さんにスタジオにお越しいただいています。松浦さん今週もよろしくお願いします。

はいよろしくお願いいたします。
田巻
よろしくお願いします。先週は松浦さんのご経歴から、中部大学の職員として、公共政策危機対策の研究を行いながら、災害時の情報収集をする無人飛行機の活用の有効性についてお話をお伺いしました。
大楽
松浦さん、災害時の情報収集、そして配信のための無人飛行機の話というのですね、先週あの伺ったんですけど、今週はそれを実現するための組織、株式会社テラ・ラボさんについてお伺いして行きたいんですが、このテラ・ラボさんを設立したきっかけを改めて教えていただいてもよろしいですか。
松浦さん
会社の設立の時はですね、実は我々の住む愛知県っていうのが航空宇宙産業特区というのに指定されたタイミングだったんですね。
アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区 – 愛知県
https://www.pref.aichi.jp/kikaku/sogotokku/
これは何だったかというと、愛知県は飛行機であったりとか宇宙であったりとかそういったものの産業集積地にするっていう話題が当時は凄くあったんですけども、である経済界の方からですね、こんなオーダーがあったのは「松浦さんはベンチャーの経験もあるし、この航空宇宙産業特区で何かちょっと新しいものを立ち上げられないだろうか」と、こういう話が起きたんです。当時やっぱり災害に対して関心が非常にあったので、宇宙から災害が見れるのか、飛行機から災害が見れるかとまあこういうところが着想の原点になったんですけども、それでまあ色んなその大学の知見をお借りして会社を立ち上げるというところに至りました。実際に起業の時にはですね、ほんとにこう人もいなく僕1人とあとはパートナーを何人か対応してるレベルだったので、当時はなかなかその人がいるとかっていう発想にならなかったんですが、プロジェクトが具現化するにあたって開発人員とかですね、こうした資金繰りというところが必要なってくるかなというところが課題になってきたということですね。
田巻
私大学で経営学をちょうど学ばせていただいてるんですけど、自分も起業することにすごい興味がありまして、会社を立ち上げるっていうのはどのように行うんですか。
松浦さん
実は僕も大学に行っていたので学生さん達からこういうタイプの話ってよく受けるんですよね。
田巻
はい。気になりますよ。
松浦さん
会社を立ち上げるっていうことをスタートにしないほうがいいんだろうなーって逆に私は思うことがあってですね、何かと言うと、結果的に会社は要るようになるので、何かを起こそうと思ったらですね、要するに共通の会計とか財布が要るようになるんですよ。でやっぱりその会社っていうのは法人という表現なのですけども、一人の人格を持った法人ってのが出来上がるので会社作ると、そうするとそこが意思を持って動き出すようになるんですね。そうするとその会社を行うということよりも、「自分たちが複数の人数で何かをしたい」、この原動力を会社というのに委ねるっていう風に考えると起業は凄く楽になります。会社を立ち上げてから何しようかってやるのは順番が間違ってる。
田巻
なるほど。
大楽
何かがあってこれのためにって動いていくと、結果的に会社を立ち上げなくちゃいけなくなるってこと。
松浦さん
そういうことです。
田巻
そうすることで人も集まりますしね。アイデアも増えて。
松浦さん
そうです。いきなり仲間が集まって事業計画みんなで何しようかってやってるところは順序が全然逆になっちゃう。
田巻
なるほど。そこから始めちゃ原動力もないし進むものも進まないですよね。
松浦さん
そうなんです。
田巻
勉強になります。学校の授業よりすごい勉強になります。ちょっと大学生みんな聞いてますか。
大楽
大学の勉強も為になるし。
田巻
なりますけどね。
大楽
松浦さんが現場の人の意見ってことですよね。
田巻
すごい社会勉強になりますね。
大楽
今までで見てきて一番いい笑顔だな。
田巻
すごい前のめり、マイクに顔が当たりそうになりました。
大楽
なるほど。テラ・ラボさんの方は、愛知県の方で今おっしゃっていただいたように会社を立ち上げたということで、拠点が愛知県から福島に研究拠点が今回は移ったというか。それはどういったタイミングでどういったきっかけがあったのかなあっていう。
松浦さん
私どもが福島に行くきっかけっていうのは実は自分たちでは作っていなくてですね、長距離無人航空機っていうのを開発してはいたんですけども、当時愛知県を中心に講演活動していたんですね。たまさかそこにですね、福島県の名古屋事務所の所長さんが講演会来てくださってて、「松浦さん」と。「実は福島でロボットテストフィールドができるんだ」と。で「一度ちょっと見に来ませんか」という話だったんですね。「松浦さんこの飛行機を飛ばすには飛行場がいりますよね。福島でそれ準備するのでぜひ」って、こういう話だったので、何のことだろうかと最初思って。噂は聞いてたんですよ。そこに滑走路ができるって話は。ただ聞けば聞くほどよくその開発を後押しする、開発に対しての伴走支援とか我々はいうんですけど、支援策が非常にたくさん整ってるって話を後に聞いたので、我々はこの福島ロボットテストフィールドっていうところが自分らの拠点にすべき場所だっていうことを即座に決めることができましたよね。
福島ロボットテストフィールド
https://www.fipo.or.jp/robot/
田巻
即座に決めるほどの条件なんですね。
松浦さん
実はその企業立地セミナーって呼ばれる2019年の2月のセミナーに我々は参加したんですけども、このとき実はですね、原子力発電所の中を見る、そしてそここの地域にある工業団地を見る、でロボットテストフィールドを見るって3つのプログラムが組まれてたんですね。まず私は原子力発電所見たときに、この支援策の背景にはイノベーション――イノベーションにある政策なんですけども、背景には多くの人たちの復興に対する思いが詰まってることを認識した瞬間だったんですね。原子力災害でほんとにまだ町が封鎖されてるエリアもありますけども、それを乗り越えてイノベーションにかける想いってのがそこにある。で実際にその工業団地を見たときに、ここに出店をすることによって産業を作り出すだけじゃなくて若い世代子達の働く場所を作る。それだけじゃなくて夢をつくっていく、っていうこういうことをやれるんであれば、これは自分が復興支援にストレートに関わるいいきっかけだなって思った。で3つ目にはロボットテストフィールド見た時に「あ、僕らが必要な場所はこれです」って話だったんですね。世界中探しても産業拠点で飛行場が入る場所はないんですよ。
田巻
そうなんだ。
松浦さん
そうなんです。ラジコン飛行場はあるんですよ。研究施設まではあるんですけど、それを産業利用で使っていい無人航空機用の滑走路は世界探してもあそこしかない。しかもその真隣に工業団地があったからもう僕らはこの、当時は7番って言ってたんですけど、この土地を僕ら絶対にここで工場を建てたいからって、行ったその日に決めたんですよ。でついこないだ2月8日に地鎮祭があってこの秋には竣工なりますけども、我々の拠点がそこに出来上がると。
大楽
行動早いですね。
田巻
本当ですね。
松浦さん
でもやっぱりその時の判断は早いんですけど、そこに至るまでに8年かかってますからね。
田巻
ああ、そっかそっか。
私たちも昨年12月に福島ロボットテストフィールドを取材させていただいたんですよ。1月の放送で紹介したんですけども、我々が行った時にすごい最先端の場所だなってすごい分かりました。
大楽
松浦さんに聞きたいのが、福島の方で今活動されていて、福島どうですか。愛知と比べても風土とか違うと思うんですけど。
松浦さん
まずですね、愛知県と南相馬市っていうのが非常に利便性が高い場所だって言うのを、行き続けることによって把握できたんですね。何かというと愛知県は当然中部国際空港から仙台空港まで1時間弱で着くんですね。仙台空港からは1時間ちょっとで着くんです。だからこの航空機の費用だけなんとかなれば、僕はいつも日帰りで行くんですけども、福島は全然日帰りで行ける場所だったんです。多分東京から行くよりも早いんですね。
大楽
なるほど。
松浦さん
もう一つすごい僕らにとって利点だったのは、海のルート。名古屋港から仙台港、太平洋フェリーっていうんですけど、仙台港から北海道に行きますけど、ここがたまたま繋がったんですよね。だからトラックに山盛り荷物を載せてフェリー乗せて翌日には仙台まで行けるんですね、運転しなくても。だから、陸路じゃなくて空と海のルートが僕らには強い味方になると思ったので、南相馬はもう全然これはアリだなと思って、その入居に全然抵抗なかった。ですからやっぱ産業の集積地っていうのは東京と違う利便性があるので、全国どこにでも我々は行きやすいですね。その中でもこの仙台経由した南相馬という場所は我々にしてみたらすごく判断の追い風にはなります。
大楽
そして実際に無人飛行機の試験などをされてるんですよね、今現在は。
松浦さん
そうですね。ロボットテストフィールドはやっぱ我々は特に滑走路と格納庫っていうとこを借りて、飛行試験を繰り返し行うことになるんですけども、ロボットテストフィールドの研究棟の開所のタイミングで我々も一番最初に入居させていただいたんですね。その時には研究室というところとあと倉庫を借りたんです。ただまあ我々も機体が増えてあと車両、中継車のような車両があるんですけど、車両を置くって考えると研究室だけでは足りなくなったので、それで南相馬市の産業創造センターってのがその翌年にオープンになったので、研究棟を1年後には卒業して、そして産業創造センターに入居してるんですけども、その1年後の来年の秋には工場を建てるという。2年で工場建てると。
田巻
走り出したら早いですね。
松浦さん
ただこの2年は言われるように早いんですね。早いっていうかものすごい最短だと思っていて、この最短の製作はやっぱりこの福島での産業政策が投資になったので、我々のベンチャーですら2年で工場が建つんですよ。これの成功事例になれればと思って僕ら放送したんですけど本当に実現したんですよ。3億の建物があそこだから2年で出来た。
大楽
色々な話聞けましたね。
田巻
本当にも興味が。関心といい止まらないですね。
大楽
後半も引き続き松浦さんにお話をお伺いしたいと思います。
災害時の対策本部拠点としての工場
大楽
株式会社テラ・ラボ代表取締役松浦孝英さんに先週に引き続きですね、お話の方を伺っています。先ほどから話をお伺いしてて、南相馬にも新しい工場ができるということなんですけど、どんな工場なんでしょうか。
松浦さん
はい。私たちはですね、南相馬市復興工業団地というところに、今回は横幅が60 M で奥行きが20 M の1200平米の工場が出来上がります。これですね、福島ロボットテストフィールドの滑走路に直結ができる格納庫兼管制室になるんですけども、ここには大きく3つの特徴を設けています。まず飛行機を当然飛ばせないといけないので、格納庫の機能、たくさんの機体が組み立てた状態で置いておける常駐できるという意味合いで格納庫が整備されているんですけども、その他にはですね、中でその飛行機から得た情報を解析したりする管制室、そして危機対策室がそこの中に作ってあって、実はここの工場は何かあった時に緊急災害用の本部拠点になるような仕組みに作ってあるんですね。
事業内容 | 株式会社テラ・ラボ
https://terra-labo.jp/works/
大楽
僕今ちょっと思ったのが、頭の中でですよ、シン・ゴジラで見たような感じの。
松浦さん
はい、まさにシン・ゴジラの世界観ですね。今仮にシン・ゴジラが自分たちのところに押し寄せてきた場合に、仮に我々が長距離無人航空飛ばすことができたら、どういう情報を得て誰にその情報を発信していくかっていうことを想定するのも1つ自分らの役割だと思ってるんです。シン・ゴジラの中でやはり興味深かったのは、首相官邸での判断、あるいは現場での判断、現地で何が起こってるか。この3側面であそこはストーリーが動いてるんですけども、それと同じことがあらゆる災害でも起きますので、だからそれが今の我々の工場でしっかり監視ができて、それを様々な人たちに情報が、共有ができるシステム、共有ができるように、ただの工場じゃなくて災害対策本部になるようにしてあるんですよ。
田巻
すごいですね。
大楽
それが10月ですか。
松浦さん
そうですね、今年の秋にはもう竣工予定です。
大楽
すごいなあ。
田巻
そこで得た情報を一斉に発信することができる。
松浦さん
はい。それが可能になります。
大楽
なるほど。やっぱ色々勉強になりますね。ありがとうございます。最後になってしまうんですけど、松浦さん、テラ・ラボが作る日本の未来について教えていただいてもよろしいですか。
松浦さん
はい。やはり災害罹国と呼ばれる日本、で特に東日本大震災でですね、様々な被災は当然しました。それに向けて復興10年、今年10年経ちましてまたこれからまだまだ復興していかないといけないってこと考えると、我々やはり東日本大震災から学ぶべきことって非常にたくさんあると思ってます。むしろここで学んだことを世界に逆に発信することができるとも思っているんですね。ですから過去をみてそして未来をこれからどうするかという予見をしてくっていうことがもしあそこの場所でできるとすればそれは社会的意義では非常に大きなものであると私は考えているので、この福島のイノベーションっていうところの中で我々が少しでも尽力できるのであれば、僕は人生をかけてでもここでベンチャーをですね、大きくして、そして地元雇用につなげていきたいと思います。特に若い世代の未来をイメージできるようなものがあそこで生み出せるのであればいいなと思ってます。
大楽
本当ありがとうございます。
田巻
胸がいっぱいになってしまいました。ありがとうございます。
大楽
今後も僕たちの安心して暮らせるようにね、研究とか開発、まだまだ大変なことはあると思いますけど今後ともよろしくお願いいたします。
田巻
お願いします。
大楽
先週今週とですね、株式会社テラ・ラボ代表取締役松浦孝英さんにお話をお伺いしました。松浦さん本当にありがとうございました。
松浦さん
どうもありがとうございました。
田巻
ありがとうございました。
エンディング
2週にわたって株式会社テラ・ラボ代表取締役松浦孝英さんにお話をお伺いしました。

さあ、いかがだったですか田巻さん。

はい。テラ・ラボさんのような企業が防災や災害拡大の防止に役立つ技術を開発してるということで、もうすんごい感心しちゃいました。

なるほどね。

私個人的に一番あの前のめりになってしまった時部分が、起業することについての話だったんですけど、起業することが最初の目的ではなくて、やりたいことを始めてその先に会社が必要になってくるっていう。

そうですね。

今まで勘違いしてましたね私は。最初に起業したい、じゃ何をする、そっから何か考えてたんですけど、大学の中でも。でも結局やりたいことを始めることに仲間も集まってきて事が進んでいくんだなって思いました。

なるほど。今日はいい顔してましたね田巻さんね。

本当ですか。

はい。やっぱりあの今回テラ・ラボさんの話を聞いて考えたことが、やっぱりこのタイミング、東日本大震災から10年というタイミングっていうこともあるし、やっぱりね、あの時の悲しみを出来る限りほら今後ね、少なくしていきたいなって僕は感じましたね。

確かに。地域に貢献できる仕事って本当に素敵ですよね。

田巻さんもそういうことをやって、その先に会社を起こしていただきたいと思いました。

ちょっと私も考えます今日。

よろしくお願いします。
そして番組アシスタントはこの方です。