【東洋システムが創る、進化し続ける電池といわきの未来】2022年5月21日

田巻

前回に引き続き、福島県いわき市にある東洋システム株式会社に注目していきます!

前回はスマホや電気自動車など幅広く使われている「二次電池」の性能を検査する装置の開発について色々とお話を伺いました。

電池のこと、勉強になりましたね!

大楽

本当に、結構難しい話だったんですけど、二次電池って充電できる電池のことなんですよね。

田巻

私も初めて知りました。

大楽

スマホのバッテリーとかも二次電池。

またハイブリッドカーなど私たちの生活に欠かせない電池の性能や安全を支えている重要な会社がいわき市にあるということなんですよね。

田巻

そう!いわき市に!すごいですね!

大楽

知らなかったですよね!


今回もゲストは、「東洋システム株式会社」専務取締役 草野浩さんと、研究開発本部主幹 長谷川隆将(たかまさ)さんです。

リモートでのご出演です。

草野さん、長谷川さん、よろしくお願いします!

草野さん

よろしくお願いします。

長谷川さん

よろしくお願いします。

充放電試験装置・電池試作設備・安全性評価装置・電池パック・電流センサーなら東洋システム株式会社 (toyo-system.co.jp)


 進化し続ける電池の世界

大楽

先週、二次電池は何?という基礎知識から、東洋システムで設計・製造・販売している電池の試験装置のお話を伺いました。

新しい電池をメーカーが開発する時には、寿命や安全性を重視しながら技術革新をしていく商品の性能評価をしているということだったんですけど…。

電池の世界って、技術革新ってすごいんですか?

長谷川さん

皆さんお持ちのスマートフォンで考えていただきたいんですけども、今ってスマートフォン、そんなにすぐ電池ってなくなりますか?

大楽

最近、いろいろ見てても、同時進行してても電池の減りってそこまで早くはないですね。

長谷川さん

ほんの数年になるとは思うんですけれども、電池業界もどんどん新しい電池だったり高性能という形で進化しております。

同じ大きさの電池なんですけれども、より大きな容量を持つようになったりとか、動画を楽しみながら、またネットを使いながらでも充電を気にすることなく使えるようになってきたと思います。

難しい話は抜きにしても、これも技術革新、努力の成果だと言えます。

田巻

素朴な疑問なんですが、スマホも新しい機種が出るたびにどんどん電池の容量増えてますよね。そんなに進歩するものなんですか?

長谷川さん

二次電池の中の改良という地道な研究開発が実を結んでいるんだとは思います。

例えば、電池についている「電極」という部品がありますけれど、それを別の金属に変更したり、その形を工夫することだけでもより長持ちになったりする場合もあるんですね。

大楽

そうやって少しの改良をするたびに東洋システムが開発した試験装置で試験をして安全性や性能を確認するんですね。

長谷川さん

大楽さんの言う通りです。

ちょっと形を変えただけだから安全性に影響はないだろうと思っていると思わぬところで事故に繋がってしまう場合もあるので、電池は少しでも変更する度に試験は絶対必要だと思います。

大楽

なるほど。

東洋システム株式会社 長谷川さん

大楽

この試験装置って結構大きくて価格も高いじゃないですか。それを買うメーカーってそんなにこう…多いって思えないんですけど…。

長谷川さん

確かに、電池メーカーさんだけですと、私たちと製品を販売するお客様って数が限られてしまうんだと思いますね。

ただ、今ですと自動車メーカーさんとのお仕事が結構多くなりまして、例えば豊田市に弊社の事業所があるんですが、こちらに事業所を構えたのもその関係になっておりまして。電池の裾野が様々な産業に入り込んでることを指してるんじゃないかなと思います。

豊田事業所(豊田評価センター)
©東洋システム株式会社


大楽

例えば僕が電池業界にこれから入ったとして、最初からはこの評価装置を買えないなぁ…なんて思ったりもするんですよね。そういう企業さんもいるんじゃないんですか?

長谷川さん

実はそういう企業様、多いんですね。

なので私たち、受託試験、受託評価というビジネスもしております。

大楽

受託試験?

長谷川さん

お客様が作られたバッテリーをお預かりしまして、私たちの自社装置の方でシミュレートだったりいろんな耐久試験というものをかけまして、その結果をデータとしてお客様にお渡しする、そんな形になっています。

田巻

買うのは高くてちょっと難しいかもしれないですけど、こういったことをやってくださると手軽に出来ますよね!

大楽

これはサービスとしては対日本だけなんですか?

長谷川さん

海外の自動車メーカーさんではそのような形が結構多いですね。

大楽

そうなんですか!

長谷川さん

あとは、例えば新しい電池を他のメーカーさんから購入したんですけれども、ただそれがちゃんと求めてる性能を示すかっていう部分を確認してほしいっていう形で依頼頂くお客様も多くなっております。

©東洋システム株式会社

大楽

そして、日本製の電池っていうのが少なくなってきているってのも聞いたんですけど。

長谷川さん

そうなんです…。もう10年以上前は、二次電池といえば日本製が世界シェアを独占してたんですけども。

今ですと中国勢や韓国勢にちょっと押されちゃっているかなといった感じですね。

大楽

悲しいですね…。日本製の復活とかってあるんですか?

長谷川さん

リチウムイオン電池は日本が開発したものですので、その次世代と言われてるもの、「全固体電池」というもの。こちらの新しい電池の研究開発も盛んに行われております。

その分野では日本企業がもう一度頑張れるんじゃないかなと、現状でも秀でてるんじゃないかなと思っておりまして。日本製はなによりも安全だというところで信頼性の高いのかなと、これは事実だとは思いますし。更なる信頼性の向上のために、弊社の試験装置で様々な角度からシミュレーションしていただけるかなと思います。

田巻

いま「全固体電池」という耳慣れない言葉も出てきましたが、長谷川さんが考える電池の未来はどんなものですか?

長谷川さん

電池の高密度、高エネルギー化というのは当然向かっていくと思うんですね。

電池のエネルギー密度が高くなることによって、例えばスマホに入っている電池がサイズが半分になる、もしくはスマホの中で半分の大きさになっているものをもう一つ電池を乗せればバッテリー寿命が単純に2倍になる、ということも起きると思いますし。

またEV車(電気自動車)は充電の方法が大きく分けて二つあるんですが。

ひとつは普通充電、おうちに帰ってから夜間1晩かけて充電がするもの。
そしてもう一つが急速充電。高速のサービスエリアとかにある充電器、こちらは30分ほどかけて充電をするんですけれども、この急速充電、30分かけても100%まで充電を持っていくにはなかなか難しいことが多いんですね。

例えば充電する時間が半分の時間、10分~15分で100%近く充電できるようになれば、電気自動車がもっともっと普及していくんじゃないかなと思っています。

田巻

電池の高密度、高エネルギー化に向かうということは、生活がますます便利になりますよね。

大楽

ということは僕たちが使っているスマホもますます薄くなって、毎日ではなく2日3日の充電で、使い勝手が良くなりますね。

田巻

そうですね!これから楽しみです!


東洋システムのいま 地域貢献の取り組みとは?

大楽

ここからは草野さんにお話を伺っていきたいと思うんですが。

前回、東洋システムの会社ができたきっかけというのを伺いました。当時社長が巨大な元祖携帯電話、ショルダーホンを小さくするためにバッテリーの小型化が必要と考え設立したと伺ったんですけど…。

ゼロからの立ち上げって大変だったんじゃないですか?

草野さん

そうですね、自動で測定する装置っていうのはまだ世に出てなかったので、創業の社長もかなり苦労してですね。

そういった時に同じ志を持った仲間が少しずつ集まって、10人体制になり…20人体制になり…そして今は130人という。当時はかなり苦労して。

私も創業8年目に入社したんですけども、当時は土曜日は休んだことがなかったですね。ひょっとすると日曜日も仕事で、12時前にはほとんど家に帰ったことがない…というようなのが続きましたけども、達成感の方が上回っていて、すごい楽しく仕事ができてましたね。

東洋システム株式会社 草野さん

大楽

やらされてる感とか、そういったことがなかったんですね。

そして今、いわきバッテリーバレー構想というものに取り組まれてるそうですが、これって一体何なんですか?

草野さん

2011年の東日本大震災を受けて…。電池業界は西側の方にかなり密集してるんですね。

なので今後起きるであろう南海トラフ地震とかそういったものから電池業界の方もリスクを回避しようということで「一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構」というものを立ち上げて。

時代を担う若者や子供達に将来の夢と希望をもてる地域を残していくために、次世代産業のエネルギーデバイスであるリチウムイオン電池などの蓄電池を核とした様々な取り組みを支援、実行していくということをしているものです。

いわきバッテリーバレー構想 | 一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構バッテリー関連産業を核とした地域活性化、持続可能な社会の実現に貢献する 中期ビジョン(2021年4月〜2026 (iwakibv.org)

大楽

電池の測定試験装置というのは市場規模がある程度限られると思うんですが、東洋システムが発展するために、何か新しいことに取り組んでいるんですか?

充放電評価装置「TOSCAT-3100SK」
©東洋システム株式会社

草野さん

私達の業界の規模っていうのは現在100億規模と言われてるんですね。

その中で我々が充放電の装置を売る事業、それから先ほど長谷川が申しましたように受託という事業。それと装置を作るために中の心臓部となる電流センサっていうすごい高精度なものを柱にしてますし。

電流センサ 製品一例
©東洋システム株式会社

我々が電池を電池メーカーさんから購入して電池パックというものも作ってるんですね。電池パックは皆さんご存知のようにAEDなどの医療機器にも使われてるんですよ。

Li-ion電池を搭載した電池パック 製品例
©東洋システム株式会社

草野さん

なので、充放電の測定器を作るメーカーではあるんですけども、いろんなところに少しずつ幅を広げて。

前回長谷川の方から「BLDS」という新しいプラットフォーマーになる電池の劣化試験、こういったシステムの方も取り組んでいます。

長谷川さん

実は今は研究開発本部で新規事業の立ち上げをしておるんですけれども。
”バッテリーの性能を使い切る世界の創出”、こちらをテーマにして「バッテリー残存性能診断システム」という…弊社では「BLDS」というものなんですが、こちらの事業立ち上げに従事しております。

前回放送分

草野さん

競合となるところですと、大手会社の小会社ですとか、そういう系列の会社が多いんですけども。我々その中で50%ぐらいのシェアを持ってるんですね。

田巻

すごい!

草野さん

福島のいわき市にある片田舎の企業で、働いている社員たちの励みになってるのかなと思ってます。

大楽

それ以外にも、東洋システムは保育園を他の企業と共同で開設するなど、地域や働く方へも優しい取り組みを行っていると伺いました。

草野さん

弊社の方もいま130人体制になってはいるんですけども、一人一人の役割っていうのが重要でして。女性でも執行役員であったり、または役職がついて管理職であったりという方がいらっしゃいます。

ただやはり子供さんができますと、そこに手がかかってしまって仕事が出来なくなってしまうというところを補助できないかというところからですね、地元の企業さん・保育園さんと共に「まことルンビニー保育園」というものを開設しています。

田巻

それって一般の市民のお子さんも一緒に通うことができるんですか?

草野さん

そうですね、通うことができます。その中に企業枠を設けてもらって、賛同している各企業さんからのお子様も受け入れて頂けるような形になります。

大楽

素晴らしいですね。

田巻

地域貢献にもなるし、社員の福利厚生にもつながってるんですね!お母さん達も安心して働けますし、こういった対策って大切ですよね!

企業主導型保育園「まことルンビニー保育園」開所のお知らせ | 充放電試験装置・電池試作設備・安全性評価装置・電池パック・電流センサーなら東洋システム株式会社 (toyo-system.co.jp)

大楽

その他にも様々な取り組みをされていると伺いました。

草野さん

ひとつ大きなものとしては、トヨタ自動車さんが開発した日本で初のスーパーカー、「レクサスLFA」というものを購入しまして。

LFA試乗体験イベントの様子
©東洋システム株式会社

草野さん

震災後疲弊してしまった若者たちの気持ちを盛り上げようということで、年に1回地元の曙ブレーキさんのテストコースを使ってトヨタ自動車さんにも協賛頂いてLFAを8台ぐらい集めて、高校生たちを助手席に乗せてスーパーカーを体験させるというイベントを行ってます。これは2013年からですね。

中には商業高校に通っていた女の子なんですけども、この体験をもとにですね曙ブレーキさんのテストドライバーになられた方もいらっしゃいますし。

田巻

すごい!

草野さん

または親御さんが経営してる車の整備工場を継いだという方もいらっしゃいます。

大楽

それきっかけで車の方にご興味をということですね。

LFA試乗体験イベントの様子
©東洋システム株式会社

草野さん

震災後にかなり人口が減ってますので、我々はそのいわきバッテリーバレー構想とかそういったもので働く場所を提供して、人口流出を食い止めたいなというところもあります。

大楽

そういうものがあるので、みんな残ってその街を盛り上げようという気持ちにつながると思うのでね。

田巻

あるいは一回上京しちゃっても、また U ターンという形で戻ってくるっていう方とかいますよね。

草野さん

それと、福島高専さんと県立平工業高校さん、勿来工業高校さんなどと連携して「いわき EV アカデミー」も開催しています。

次世代自動車の基礎構造や製造技術、EVの仕組みを習得させるような将来のエンジニアを育成しているという取り組みもしております。

なので、弊社の方では魅力的な企業作りということで、安心して地元で働こうという思いの人を募集しています。どうしても製品が工業製品なものですから、知名度が低いのでテレビのコマーシャルとか、そういうところでも少しずつ名前を知ってもらおうということで働きかけています。

東洋システムのこれから

大楽

今後、東洋システムをどのような会社にしていきたいと思っていますか?

草野さん

先ほどの電池劣化診断。こちらを全世界に広げて、200名で100億の企業にしたいと思っています。

大楽

200名で100億って可能なんですか…⁉

草野さん

かなり厳しいですね…!1人当たり5000万円の売上になりますんでね(笑)かなり目標は高いと思います。

大楽

でもやっぱり、目標って大きくしないとみんなの士気が上がらないし、そこに向かって行こうっていう気持ちにならないじゃないですか。だったらやろう!っていうね、そういう気持ちの若い人たちがこれからもどんどん集まってくると思うので。

田巻

確かに!

大楽

本当にいわきを代表する会社になって、頑張っていただきたいと思いますよね。

田巻

応援してます!

草野さん

200名で100億の企業になったらですね、今の本社ビル、5階の南側全面ガラス貼りのビルがあるんですけども。これをもう一棟立ててイーストタワー・ウエストタワーっていうツインタワーにしようという計画で考えています!(笑)

大楽

もう計画はすでにあるんですね(笑)

田巻

やる気がますます出ちゃいますね!

大楽

200名に増やして100億企業目指すしかないですね!

草野さん

で、ロビーにはレクサスLFAが飾ってあって…それを見た若者が東洋システムで働きたいと…研究開発がしたいと思ってもらえるような、そういった方に入ってもらいたいなと。

大楽

めちゃめちゃ頭の中にもビジョンが浮かんでるじゃないですか!(笑)

田巻

楽しい会社さんですね!

大楽

いっぱい若い人たち、これからも入ってくると思いますので。頑張っていただきたいと思います。

2回にわたり、東洋システム株式会社 専務取締役 草野浩さんと、研究開発本部主幹 長谷川隆将さんにお話を伺っていきました。

ありがとうございました!


大楽

田巻さん、どうでしたか?

田巻

電池って、いままで何も考えず当たり前のように使っていたんですが…。

多くの時間をかけて、何度も検証して進化し続けているということが今回分かりました!スマホが安心して長時間使えるのは東洋システムがきちんと検査して安全な製品を送り出しているからなんですね!

大楽

もう感謝ですね。

田巻

ありがとうございます!

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