【電池を元気にする”充放電評価装置”とは?~東洋システム~】2022年5月14日放送分

田巻

いやー大楽さん、お久しぶりですね!

スタジオでお会いするのは3月以来ですか?

大楽

そうですね、4月から先週まで、このFirstMakerは総集編をお届けしていました。

そして田巻さんがね、福島県浜通りの一人旅に出かけた模様をお送りしましたけど…レポートに行ってみて印象的だったものってありますか?

田巻

やはり富岡町 夜ノ森の桜並木ですね!

震災以来12年ぶりの桜まつりが開催されていた時に取材に行ったんですが、多くの方々が訪れて少しずつ楽しい時間が増えてきたなって感じがして嬉しかったんですけど。

私自身も小学生ぶりに行ったんですよ!だからちょっとウルッときちゃいましたね…!

大楽

いいですねぇ…!

先月jヴィレッジで、ももクロのライブが2年延期になって開催したじゃない!

ももクロ春の一大事2022 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ In 楢葉・広野・浪江 三町合同大会〜 (momoclo.net)

大楽

そして今年8月には僕たちの地元いわきで「いわき七夕祭り」っていうのが3年ぶりに開催するんですよ。

田巻

待ってました!

大楽

だからやっとこう日常が戻ってきたなーって思いますね…!

田巻

活気が溢れてきましたね。

改めて今週から、この二人で番組をお届けしていきたいと思います!


大楽

今週フォーカスするのは「電池で地域を元気にする会社」なんです。

田巻

電池で地域を元気にする…?気になります!

ゲストは、福島県いわき市にある「東洋システム株式会社」専務取締役 草野浩さんと、研究開発本部主幹 長谷川隆将(たかまさ)さんです。

オンラインでのご出演です。

草野さん、長谷川さん、よろしくお願いします!

草野さん

よろしくお願いします。

長谷川さん

よろしくお願いします。

充放電試験装置・電池試作設備・安全性評価装置・電池パック・電流センサーなら東洋システム株式会社 (toyo-system.co.jp)


東洋システムの手掛ける”充放電評価装置”とは? 

大楽

まずは草野さんに伺っていきます。

東洋システムが電池に関係する会社ってのはわかったんですけど…電池を作っているメーカーなんですか?

草野さん

いえ、電池そのものは作ってはいないんですね。

大楽

あっ、そうなんですか。

草野さん

電池を作っているメーカーさん、またはその電池メーカーさんに材料を納めている材料メーカーさんといったところに、その電池ができた時、充電や放電の性能を検査する検査装置「充放電評価装置」というものを設計・製造・販売させて頂く会社でございます。

田巻

電池の充放電評価装置…?

草野さん

ちょっと分かりにくいと思うので…大楽さんと田巻さん、スマートフォンをお使いですよね?

大楽

使ってます!一日たりとも手放せないくらい!

田巻

本当に必需品です!

草野さん

その中にバッテリー、つまり電池が入ってるんですけども、スマホを使うと電池というのはどんどん容量がなくなっていきます。なくなったときに充電をしてまた再度使えるようになるという。そういった充電をして何回も使える電池二次電池というんですね。

大楽

二次電池。

草野さん

工業製品は何より安心して安全で使われないと意味がないんです。その二次電池というのは、安全で高性能な製品であることが求められているんですね。

なので、それらを検査するためにいろんな試験をしていくんですよ。その試験装置が我々の充放電装置。

製品名:TOSCAT-3100SK
何種類もある充放電評価装置のひとつ。この装置を使って二次電池の評価・検査を行う。
様々なシミュレーションを組んで365日24時間、ずっと動かすことができる。
©東洋システム株式会社

大楽

なるほど。

東洋システムは福島県内でもテレビ CM とかラジオ CM に積極的にうって出ている、会社の名前を知ってもらうためにかなり攻めている感がありますけど…その東洋システムの歴史を教えていただいてもよろしいですか?

草野さん

1989年11月に創業して、今年で33年目になる会社ですね。

当時創業の、現社長の庄司が26歳の時に計測系メーカーに勤めてまして。その計測器メーカーさんの方では通信機器メーカー様、要は電話会社さんとか電池メーカーさんにそういった装置を売ってたんですね。

で、たまたまその時に NTT さんの方からショルダーフォン…携帯電話の走りのものですね、バッグくらいの大きさの電話が登場して。庄司は学生時代からアマチュア無線をやっていたんですけども、アマチュア無線の無線機って片手に収まるぐらいのちっちゃなものなんですね。なのにそのショルダーホンは何であんなにでかいのかなということに疑問を持って。

通信機器メーカーさんに話を聞きに行ったんですよ。そしたら、電池とその電子デバイスが大きいので、それが小さくなれば小型化できますよという話が聞けたんですね。

それじゃあバッテリーが小さくなればいいんじゃないかというところから、今度はバッテリーメーカーの方に行って、バッテリーって小さくならないんですかという話をされた時に、電池っていうのはすごく難しくて、化学反応なもんですから、なかなか人間の思った通りには動かなくて。日夜いろんな計測器を集めて、自分たちの手動で測定をして、ダメならまた材料を変えて…というのを繰り返しながら研究開発してたのを見たんですね。

そうした時に、夜中でも自動で測定してくれる装置があればもっと電池の研究が進むと。自分がそういった装置を作りますよと約束したんですね。

そして計測機メーカーに戻って、こういった装置があれば携帯電話はポケットに入る時代が必ず来る!ということを上司にしたんですけども…電池なんてのはどうせ部品だと却下されて。

その約束を守るべく27歳の時に起業したんですね。6畳ぐらいの子供部屋みたいなプレハブ小屋から始まって、いま33年目という歴史になっています。

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大楽

僕たちが使ってるこの携帯電話がこんなに小さくなったのは、庄司さんの先見の目があったからということなんですかね?

草野さん

そうですね、日本で初めて自動でできる装置を作ったのは弊社になります。

大楽

すごいですね!

確かに33年前って肩掛けしてる携帯電話が当たり前だったんですよね。会社の社長さんがよく重そうなバッグを持って電話してるなということがあったので…それがいまや僕たちが当たり前にポケットに入ってるっていうのは、もう30年前では考えられなかったですからね。

田巻

そうなんですね…!携帯電話の進化の鍵は電池、バッテリーだったんですね!

草野さん

バッテリーさえ小さくなれば携帯電話は本当に胸ポケットに入る時代が来ると言ったのがまさに今で。そこから先、今度は腕時計で話ができるとか、イヤホンで話ができるとか。

大楽

だから長いスパンで考えると技術革新とほんと凄いですよね!

田巻

本当にそうですね。


電池の仕組みについて

大楽

研究開発本部主幹 長谷川さんにお伺いします。

いま草野さんのお話を伺っていて、電池の偉大さというのは何となく分かった気がするんですが、電池の仕組みについて詳しく教えていただけますか?

長谷川さん

わかりました。ちょっとこの時間をお借りして「分かりやすい電池講座」をしたいと思います(笑)

大楽 田巻

お願いします!

長谷川さん

先ほど草野から話がありましたが、繰り返し充電して使える電池のことを「二次電池」とお伝えしました。

二次電池があるなら一次電池があるのですが、乾電池のような使い切りの電池のことを指すんですね。

そもそも電池は内部の化学反応で発生するエネルギーを取り出して使うんですけれども、一次電池は化学反応が終わったら寿命でもう使えない。二次電池の方は何度もエネルギーを蓄える、つまり充電して放電できる、これが特徴になっています。

大楽

なんでこの一次電池は充電ができないんですか?

長谷川さん

中の組成がそもそも違いまして、電池にはプラスとマイナスの極性があるんですけれども、基本的にはプラスからマイナスに電気が流れます。

乾電池の場合はプラスからマイナスにしか流れないんですけれども、二次電池の方はマイナスからプラスに電気が流れる…つまり可逆性があるんです。

市販されてる二次電池も一次電池も同じような形状はしているんですが、内部構造や組成が異なっているので、二次電池は充電ができるんですね。ただし一次電池、こちらは充電しようとすると大変危険ですので絶対にやらないでください。

大楽

スマホとかでここ10年ぐらい「リチウムイオン電池」っていう言葉をよく聞くんですけどこれは何なんですか?

長谷川さん

これも二次電池の一つの種類になるんですけれども。従来の二次電池に比べましてエネルギー密度が高い電池です。

大楽

エネルギー密度って何なんですかね?

長谷川さん

簡単に言いますと、単位面積あたりに蓄えられるエネルギーがいっぱい詰め込めるかどうか、そのような形で考えてもらえばと思います。

大楽

つまり長く使えるって事なんですか?

長谷川さん

そうですね、長く使えて、かつ電圧が従来品よりも高く出力できるのも特徴の一つです

例えば乾電池。こちらはだいたい1.5V(ボルト)っていう電圧になるんですね。
リチウムイオン電池の前に活躍していたニッケル水素電池というものは1.2Vぐらい。

リチウムイオン電池が3.6~3.7V、高いものですと4Vとか。ニッケル水素電池の3倍の電圧が出力できるようになってるんですね。

大楽

力的に言うと…僕とボブサップぐらいとかですかね?(笑)

長谷川さん

そうですね(笑)

田巻

だいぶ違う!(笑)

大楽

なんならあっちの方が3倍以上あると思うけどな…(笑)なるほど。

長谷川さん

電圧が高いっていうのも特徴なんですが、エネルギー密度が高いっていうことで、例えばガラケーですと400~500mA/h(ミリアンペアアワー)という…電池の容量を表す数字なんですが。

大楽

1/10ぐらいしかなかったんですね。

長谷川さん

そうですね、大楽さんすごいです。

今のスマートフォンですとそれが10倍くらい、5000mAとか、それ以上のものもあります。

田巻

確かに年々充電の持ち良くなってますよね!iPhoneとかって変わる度にすごい持ちが長くなってる感じがします。

大楽

そうですね、動画とかを見るようになってるのでパワーは必要なはずなんですよね。

田巻

確かに!

大楽

この二次電池の開発の時に必要な評価装置ってどのぐらいの大きさなんですか?形であったりとか。

長谷川さん

こちらは小型機から大型機まで様々でして。

小型機の方になりますと卓上タイプ。具体的なサイズで言うと、50㎝×50㎝ぐらいの小さいテーブルに乗るようなサイズですね。形は四角い箱にはなるので、高さは20㎝ぐらいあるんですけども。また最近の新製品ですとサイズが半分になったんで、手で持ち歩けるぐらいの。そちらも販売しております。

充放電評価装置「TOSCAT-3100SK」
©東洋システム株式会社

大楽

ちなみに、一番大きいタイプってどのぐらいなんですか?それは何用なんですかね?

長谷川さん

一番大きいものだと、電気自動車用の電池パック。これですと大きさは横に2~3m、奥行きは1mで、高さは1.8mくらいですね。

大楽

ちょっと小さい車みたいな感じですかね。

長谷川さん

そうですね、軽自動車がスポッと入ってしまうくらいのサイズ感になります。

ただこれは500Vの1000Aという、かなり大きなエネルギーを評価できる装置になっております。

田巻

ちなみに…お値段っておいくらくらいするんですか?

長谷川さん

それは…オープン価格でお願いします(笑)

大楽

オープン価格なんですか!(笑)

長谷川さん

弊社いろいろとセミオーダーで作っておるので、お客様に合った形で見積もりということになりますね。

大楽

そうなんですね。

充放電評価装置 製品一例
©東洋システム株式会社

大楽

ここからは草野さん、そして長谷川さんご自身についてお聞きしていきたいと思います。

まずは長谷川さん、研究開発本部の主幹ということなんですけど、ずっと製品開発をされていたんですか?

長谷川さん

実は今は研究開発本部で新規事業の立ち上げをしておるんですけれども。

”バッテリーの性能を使い切る世界の創出”、こちらをテーマにして「バッテリー残存性能診断システム」という…弊社では「BLDS」というものなんですが、こちらの事業立ち上げに従事しております。

大楽

すごく難しいですね…(笑)

長谷川さん

すみません、いま宣伝も入っちゃったんですけど(笑)

大楽

要は、使っているバッテリーを最後まで使い切りましょうということなんですか?

長谷川さん

おっしゃる通りです。弊社のシステムを使ってバッテリーを診断するということが普通になる、そのような世界を作りたいと考えています。

大楽

診断する…?

長谷川さん

バッテリーは新品で使っているとそのまま性能の100%というかたちで。ただ使い続けていくと劣化してしまいますね。その劣化が、どれくらい劣化してしまったのかというのを立ち上げようとしているシステムが短時間かつ、高精度に診断できる、このようなシステムを開発しました。

大楽

ということは、僕たちの手元にも使えるようになるんですか?

長谷川さん

まずはEV、電気自動車のバッテリー診断というものを目指しておるんですけれど。最終的には一般のご家庭でもお手元のスマートフォンであったり、小型家電とかで使えるシステムを考えたいと思っています。

大楽

なるほど…そうするとウハウハですね…(笑)

田巻

いままでバッテリーの持ちとか考えたことなかったですよね?

大楽

全然考えたことなかった!

田巻

充電の何パーセントとかは見てましたけど、バッテリーの容量っていうか、そういう寿命とかは考えたことがなかったですね。

大楽

どのくらい劣化していくかとかは考えていなかったですね。

田巻

あったら便利ですね。

東洋システム株式会社 長谷川さん

大楽

今は開発ですけど、それ以前って営業とかされてたんですか?

長谷川さん

そうですね、新卒で入社して13年目になるんですけど、入社当時5年間は技術と設計の方に携わっていたんですけど、翌年6年目から愛知県の車関係のメーカーさんがおられるところに行って、営業職としてお客さんのご要望を叶えるために従事しておりました。

大楽

両方経験することによってプラスになることってありますか?

長谷川さん

技術者としての設計思想というものはあったんですけど、やはりお客様とお話しすることによって自分の持っている設計思想とお客様のご要望とのギャップ、これらに戸惑いはしたんですが、実際お客様の生の声を聞いて非常に影響を受けました。

お客様ファーストのモノづくりがより強くできるようになったと思います。

大楽

やっぱり直接顧客の方の声を聞くことによって変わりますもんね。

長谷川さん

そうですね、非常に変わりました…!

大楽

いますごい実感のこもった声を聞けたような気がします。


大楽

続いて、専務取締役の草野さんに伺いたいんですけど、長谷川さんのように技術をやったりとか営業やったりする方って他にもいらっしゃるんですか?

草野さん

そうですね、最近規模は大きくなってきたとはいえ、一人一人の役割って結構大きいんですよ。

なので方針として、”T型戦略”を考えてるんですね。

営業があって開発があって資材があって生産管理・製造があって検査があって…といろんな部署があるけど、その中から新入社員で入ってから二つから三つぐらいは経験をさせると。その中でその人に一番合ったところを深く掘りこむということで「T」、T型戦略ですね。

大楽

深くいくところを下に行く「T」ですね。

田巻

ちなみに草野さんはどういった経緯で入社されたんですか?

草野さん

私の場合は1996年に入社したんですね。

入社する前に、ちょうどリチウムイオン電池ができたころなんですけどね。とあるメーカーさんで火災が起きたんですよ。東洋システムに私の先輩が勤めてまして、その火災の起きた工場に装置を大至急大量に納めなくちゃいけないという話がありまして。当時私は違う会社にいたんですけども、その仕事が終わってからでもいいので夜中にちょっと組み立てを手伝ってほしいという依頼があってですね。まあ夜中の2時3時ぐらいまで毎日手伝いをしてて。すごい充実感というか達成感というかですね、そういうのがあって1年後に入社させていただきましたね。

東洋システム株式会社 草野さん

大楽

色々お伺いしましたね。

田巻

電池について改めて考えましたよね!

大楽

今度から朝起きた時スマホに、今日もよろしくお願いしますっていう気持ちをもって僕たちは過ごしたいと思いますね(笑)

田巻

そうですね!(笑)

まだまだ気になることがありますので、この続きはまた次回お二人に伺っていきたいと思います!

草野さん、長谷川さん、来週もよろしくお願いします!!

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