田巻
そして休みの日には家族で小名浜港へ行き、愛犬とお散歩をしたり、「いわき・ら・ら・ミュウ」でイカの蒲焼を食べたりしましたよ!
この前取材で行った時にはあまりゆっくり出来なかったので、今回は親孝行したり、地元の友達と遊んだりとゆっくり過ごしてきました!
それにしても…いつ帰っても地元は落ち着きますね…!波の音を聞きながら、磯の香りをいっぱい吸ってリフレッシュしてきました!いま思い出しても思わずニコッと口元が緩んでしまいます。いわきをたっぷり満喫した連休、楽しかったです!
さて、このゴールデンウィークの後はちょっと体も心も疲れやすくなる時です。私の経験では、この時期は美味しいものをいっぱい食べて乗り切ります!やっぱり旬の食べ物をいただくと疲れが飛んで幸せになれますよね!
福島は今、アスパラガスが旬です。私の大好きな食べ方は…アスパラベーコンです!
塩こしょうをかけて食べるのが最高に美味しいんですよ!美味しい旬の食べ物を美味しくいただいて、この時期毎日元気に過ごしていきましょう!

ここからは過去に放送したゲストトークを再編集してお届けしていきます。
2022年3月に放送したインターステラテクノロジズ株式会社 社長室室長 植松千春さんへのインタビューの模様を再編集してお送りします。

ロボット製造から打ち上げまで!民間ロケット開発
大楽
植松さんの会社は、北海道広尾郡大樹町(たいきちょう)に本社を置く「インターステラテクノロジズ株式会社」。
まずは会社概要について伺っていきたいんですけど、事業内容っていうのを教えていただいてもよろしいですか?
植松さん
事業としては、まさにロケットを作って、打ち上げをして運用をする会社ですね。
作るだけじゃなくて、打ち上げるサービス自体も私どもで提供してるような会社になります。
大楽
これって最初何人ぐらいからはじめたんですか?
植松さん
最初はあのー…なんといいますかね、宇宙好きのおじさん達というか(笑)
私ども、インターステラテクノロジズっていう会社が出来上がる前に「なつのロケット団」という、いわゆる任意団体ですね。1970年代80年代当時って「2000年代になったらもう宇宙に人類はどんどん進出して、宇宙にどんどん暮らしていくんだ!」みたいな絵が描かれていたらしいんですけども…そんな世界が来てないぞと。
そのなかで、自分たちで宇宙船を作って、自分たちでどんどん外に出ていくんだっていうところで、SF 作家さんだったりとか、あとは JAXA のエンジニアさんを含めてロケットを自分たちで作ろうっていうのがだいたい2006年ぐらいからやっていて。ここから細々とロケットエンジンを作ったりとか、小さめのロケットを作ってというところだったんですけども。
いよいよ本格的なロケットを開発していくぞというところでこのインターステラテクノロジズという会社を2013年に立ち上げをしまして。そこからもうかれこれ10年弱ぐらい、開発を進めてきて現在に至るというところですね。
HISTORY | インターステラテクノロジズ株式会社 – Interstellar Technologies Inc. (istellartech.com)
大楽
細々とはいえ、色んなものを作ってくわけじゃないですか。それはそれですごく大変ですよね…!
植松さん
まさにうちの場合だと、基本的にまずは自分たちで作ろうというところから始まっていて。ロケットエンジンであったりとか、機体の構造部分であったりとか。あとは中にそのロケットを制御するための「アビオニクス」という、いわゆるフライトコンピューターなんかも自分たちで作ってやる会社になります。
ロケット「MOMO」と「ZERO」
田巻
どんなロケットを開発されているんですか?
植松さん
私ども、2機ロケットを作っているのと、研究開発をしているというところでして。
まず、既に打ちあがっているロケットが観測ロケット「MOMO」というロケットなんですけども。
サイズ感で言うと直径が50 cm、長さが10mちょっとですね。なので少し太めの電柱くらいだと思っていただければ。それぐらいのロケットをまず作っています。

植松さん
これに関しては宇宙空間にタッチをして降りてくるというところで、いろんな観測用途だったりとか、あとは私どもで結構特筆してるところで言うと、そのロケットを使って何か面白いことをやろうみたいな…科学的なミッションとかいわゆるちゃんとしたことというよりかは、例えば「宇宙に飛んでいったハンバーグ」であったりとか、あとは企業の何周年イベントみたいな形で機体に企業の会社さんのロゴを貼ったりとか。そういうマーケティングみたいな形でも使っていただいたりするロケットを作っています。
大楽
CMみたいな感じですか?
植松さん
そうです!まさにCMとして使ってもらいたいなと。
大楽
CMとしてロケット!すごいな…!
観測ロケット MOMO | インターステラテクノロジズ株式会社 – Interstellar Technologies Inc. (istellartech.com)
植松さん
もう一つが、今まさに開発を進めている私どものメインのビジネスになってくるんですけども、小型人工衛星打ち上げ用ロケット「ZERO」というものを作っています。

植松さん
サイズはもうちょっと大きくなって、直径が大体1.7mなので人間の背丈ぐらいですね。長さが24mぐらいのロケットになります。人工衛星を打ち上げるためのロケットになってまして、だいたいサイズでいうと100kgから150kgぐらいの衛星を宇宙空間に放出して人工衛星にするためのロケットになります。

田巻
民間で人工衛星って打ちあげていいんですね…!
植松さん
打ち上げていいんです…!(笑)
田巻
知らなかった!
大楽
NASAとか、JAXAのみかなって思ってたんですけど。
植松さん
民間の宇宙開発ってものすごく進んできていて。
有名なところで言うとアメリカの「スペースX」っていうイーロン・マスクがやってる会社さんであったりとか。今は「ブルーオリジン」っていう会社だったりとか。
結構、民間で宇宙開発を進めていくっていうのがいま急速に進んでいて、日本としてもそれの走りと言いますか、ロケットを作ってる会社さんも日本の中で数社あるというかたちですね。
大楽
日本でロケットって言うと、やっぱり堀江さん…ホリエモンさんが言ってたなと、SNS でよく発信されてたなというのが記憶にあるんですけど。そのあたりとはかかわりが…?
植松さん
まさに堀江は、一番初めではないんですけども、すごく早いタイミングで一緒に入ってやってた時のメンバーの一人ですね。
大楽
そうなんですか!
植松さん
今もうちの会社の取締役として入ってますけれども、まさに二人三脚でロケット開発っていうのを進めているような形ですね。
大楽
あの話を聞いた時正直、いやいや民間でロケットって…なんて思ったんですけど、形になるんですね…!
植松さん
なるんです!そうなんです!
大楽
夢ありますね!

田巻
民間でやるメリットってあるんですか?
植松さん
やはり国の事業ですと、どうしても良いものを作らないといけないというか、新しい挑戦をしないといけない、技術として新しい挑戦をしないととか…どうしても保守的なロケットになってしまう所があるとは思うんですけども。
民間なので逆に言えば、失敗しようが基本的には自分たちの責任ですし、技術開発のスピードとして結構攻めた開発ができる。それによって安くて品質も良くて使いやすいロケットを作ってきたいという所がありまして、今僕らは民間単独でやらして頂いてるというところですね。
大楽
低価格っていうお話があったんですけど、ロケットって一機いくらぐらいなんですか?
植松さん
やはり国から打ち上げられてるものだと、もちろんサイズも違うので一概に比較はできないんですけれども、よくあるロケットですと数百億円のクラスのものが基本的にはやはり多いです。
大楽
数百億!
植松さん
僕らとしてはそれを、サイズが小さいロケットにはなりますけれども、数億円ぐらいで打ち上げができるようにしていきたいというところで。本当に一桁二桁コストとして下がったロケットを作っていきたいというところですね。
大楽
ちなみにロケット打ち上げの成功率ってどのぐらいなんですか?
植松さん
成功率は…自社のっていう形ですかね?
大楽
全体的だと…?
植松さん
全体で言うと、やっぱりロケットって時々失敗します。日本のロケットも2度ほど失敗しているところはありますけれども。
結構、極限状態と言いますか、ロケットエンジンの中で言えば大体3000℃ぐらいの炎にさらされてますし。逆に燃料部分で言えばー193℃とか、だいたいそれぐらいの温度とかにさらされますので。その温度差が入り混じっていったりとか、ものすごく冷たいところとはものすごく熱いところがあったりとか。本当に結構ハチャメチャな環境の中で、かつ正常に動かないといけないというところで。
そういう意味では、一つ一つ自体はシンプルなシステムなんですけど、それがたくさん組み合わさることによってどうしても複雑になってしまうところがあるので。その意味でやはり時々打ち上げ失敗というのもやっぱり聞くというところですね。
大楽
バランスが大切なんですね。
植松さん
そうなんです。全体のバランスがすごく大切で。
あとは、問題が起きた時に、ここが壊れてもここでなんとかカバーできるみたいな。「フェイルセーフ」って言うんですけども、失敗してもうまくカバーするといういろんなところでシステムを積み重ねていくことによって成功率の高いロケットが今たくさん出てきてるというところですね。
フェイルセーフ(英語: fail safe)とは、なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全に制御すること。またはそうなるような設計手法で信頼性設計のひとつ。
:フェイルセーフ – Wikipedia
インターステラテクノロジズと南相馬
大楽
ここからは福島との関わりについてお話を伺いたいと思うんですけど。
僕たちの目の前に基盤と、あとは30㎝ぐらいの白いものがあるんですけど…これって何なんですか?
植松さん
まさに福島で研究開発をしている部品の一部を今回持って来させていただきまして。
基盤で言うと、GPS の受信機ですね。

大楽
GPS!
植松さん
そうなんです。いま自分がどこにいて、どれぐらいのスピードで飛んでるかっていうのをこの基盤が実際にGPSの電波を受けて判断するための基盤ですね。これは試作基板なんでまだちょっと大きいんですけれども。
大楽
これがロケットに入って今どこにいるかどうか全部わかるということですよね。
田巻
不思議!こんな小さいものが受信できるんですもんね。
植松さん
皆さん持っているスマホもまさにGPSを受信して、いま自分たちがどこにいるかってことを、これよりもっとちっちゃい基盤でとってると思うので。
その辺を上手くロケット用で、普通のGPSだと制約があるので、自社で開発をしてやらせて頂いてるというところですね。
大楽
そしてもう一つ、白いものは…?

植松さん
これは3Dプリンターで試作したものなんで、実際には金属で作り直すものではあるんですけども。
これはロケットのエンジンからの力を受けて、かつ舵を切るためのジョイント部分ですね。
田巻
ジョイント部分?
植松さん
人間でいうと関節部分です。
大楽
バランスをとるということですかね。
植松さん
そうですね!実際にはこのパーツの下にエンジンがついて、かつ舵を切るためのアームみたいなものが別でついて。
ちょっと傾いた時には、じゃあ少し逆方向に舵を切れというふうにエンジンと逆方向にきってあげると、ロケットの姿勢がまた元に戻るみたいになってるんですね。
田巻
だから曲がってバランスがとれるようになってるんですね。
植松さん
そうですそうです!
二軸ですね、x軸とy軸というふうに言いますけれど、二軸で動くように設計されてるというところですね。
大楽
福島で作られてるということですけど、「南相馬市産業創造センター」の方に入居されていると。
植松さん
ちょうど昨年の12月から、産業創造センターさんに入居させていただいて。まさにそこの貸工場のスペースをお借りしてるんですけども、そこで研究開発をさせて頂いてます。
大楽
福島ではこういった基盤であったりとか、そういったものを作られてるんですか?
植松さん
それをメインにやらせて頂いてまして。
私ども、元々北海道と東京の方に支社があったんですけれども。量産を考えていくときに、やはり色んな基盤を作ったりとか、金属加工したりだとか、そういうことを試作からかつ量産までできるような工場さんがあるところを探していて。
浜通り地域のところで航空宇宙に強い業者さんがいくつかあるよという形でご紹介いただいていて。いろいろ訪問をさせていただく中で、ここだったら試作や研究開発という面でやりやすいなということで南相馬に事業所を作らせて頂いて、いま研究開発をやらして頂いてるというところですね。
市内の事業者さんと一緒にロケット開発をしていきましょうという話であったりとか。あとは人材教育というところで、例えば市内の小中学校とかに講演に行かせてもらったりとか、出前授業をさせてもらうみたいなところで。
航空宇宙産業と言いますか、宇宙産業がこれから広がっていく上で教育としてもこれから盛り上げていきたいというところで南相馬市さんと連携協定を結ばさせていただいたというところですね。
【令和4年2月9日】インターステラテクノロジズ株式会社との連携協定締結式/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-
田巻
いやー、植松さんのお話を聞くまでは、宇宙ビジネスやロケットに関して、人生で一度くらいは宇宙に行ってみたいなぁくらいは考えたことはあったんですが…この放送で宇宙への価値観がガラリと変わりました!
しかもロケット開発、大変なことがたくさんあるにも関わらず楽しそうに事業を進められている様子に、この収録の時…私はまだ大学生だったんですが、卒業後一人の大人の社会人として、仕事をする上でも楽しみながら挑戦する気持ちはどんな場面でも持ち続けていきたいなと思いました!
今、こうしてラジオのお仕事をさせて頂いていますが、声で伝えるというお仕事を楽しみながらこれからもやっていきたいと思います!

宇宙をもっと身近に!インターステラテクノロジズの未来
田巻
植松さんの描くインターステラテクノロジズテクノロジの未来を教えてください!
植松さん
私たち、会社のビジョンとして「宇宙をより身近に」というところで掲げているんですけれども。
まさに民間としてロケットをどんどん打ち上げていく世界を作っていきたいと思っておりまして。まず近いところですと、今研究開発を進めている「ZERO」っていうロケットを2023年度末、2024年3月ぐらいに打ち上げをしたいと思っています。

大楽
いまはどのぐらいの頻度で打ち上げてるんですか?
植松さん
小さい方の観測ロケット「MOMO」の方ですと、年間数機打ち上げをしてるようなかたちですね。これが2024年に「ZERO」が打ち上がってくると、年間1機、年間2機、5機、10機…という形でどんどんどんどん増やしていって、本当に週に1回とか打ち上げができるような形で打ち上げ回数を増やしてきたいと思っています。
大楽
へぇー…今週もう月曜日だ…じゃあもうそろそろ打ち上げだっていう時が来るかもしれないと!
植松さん
そうですね!毎週水曜日打ち上げの日だったなーみたいな、大変なんだよなーみたいな(笑)
大楽
すごいなあ!
田巻
いまラジオを聴いていて、民間ロケットの開発を応援したいっていう方が絶対いらっしゃると思うんですけど、そういう方はどのようなかたちで応援できるんですか?
植松さん
うちの会社はファンクラブという形で…。
大楽
ファンクラブがあるんですか!
田巻
すごい!
大楽
特典ってあるんですか⁉
植松さん
ファンクラブに入ると、一般には出していない情報や写真だったりを月一回アップロードさせて頂いて、情報が見れたりとか。あとは1年に何回か交流会をやらせていただいたりとか。

宇宙へのチャレンジを共に歩む!なつのロケット団ファンクラブ会員募集! CAMPFIREコミュニティ (camp-fire.jp)
あと最近だと、ふるさと納税で応援するプロジェクトっていうのが立ち上がっていて。ふるさと納税していただくとロケットの開発の資金の一部になったりとか、あとは射場、打ち上げるための場所を作るための費用になったりとか。ふるさと納税で応援するっていうのもできるようになってます。
大楽
それは北海道の大樹町の方ですか?
植松さん
北海道大樹町ですね。
大楽
福島県と一緒に描く未来について、教えていただいてもよろしいでしょうか。
植松さん
私ども、いま福島で開発を進めさせていただいておりますけれども。
県の方と話していても、航空産業はあるけれども宇宙産業はなかなか少ないっていう相談を受けたところもやっぱりあって。福島が宇宙として盛り上がるための起爆剤としては、僕らが活躍できればなと思っておりますし。ロケット自体は部品の点数もたくさんありますし、オールジャパンで開発していくと思うんですけれども、その中でも福島の業者さんと共に歩みながら、ここのこの部品に関してはメイドイン福島だぞ、みたいなところをたくさん増やしたい。で、一緒にロケット開発を歩んでいけたらなと思ってます。

田巻
インターステラテクノロジズさんのファンクラブのお話も出てきましたが…実は企業や事業者レベルで民間ロケットの開発を応援する団体が増えているそうなんです。
「みんなのロケットパートナーズ」と言います。
こちらは”宇宙産業を日本の新たな産業に”という目的のもと、2019年3月に立ち上げたインターステラテクノロジズさんのパートナーシッププログラムです。

田巻
宇宙は世界的にも注目されている成長産業!
現在世界では40兆円とも言われている宇宙ビジネス市場ですが、2040年にはその規模が100兆円を超えるという試算も出ているそうです!100兆円ですよ!これって、日本の国家予算とほぼ同じ!この数字からも宇宙産業への取り組みが世界的に加速していることがわかりますよね!
「みんなのロケットパートナーズ」は宇宙に関わる機会を提供するもので、各企業が持つ技術やノウハウ、ネットワークなどを活かしてロケット開発に参加できると言うんです。現在34の企業・団体・大学が加入されています。中には技術支援として精密機械製造業の企業の名前も上がっていますね。
広報の方にお話を伺ったところ、是非ラジオを聞いている企業の方、福島をはじめ全国の精密機械製造業の皆さんにも広めていただきたいということです!
私としては、地元福島の企業の皆さんにぜひ参加のお願いを呼びかけたいと思います!
メイドイン福島の部品が日本の、いや世界の宇宙産業の支えになることを夢見て、今後も注目していきたいです!
MINROKE | インターステラテクノロジズ株式会社 – Interstellar Technologies Inc. (istellartech.com)

田巻
皆さんこのゴールデンウィークいかがでしたか?
私はゴールデンウィーク、毎年そうなんですが、いわき駅前にある実家のお店のお手伝いをしていました!
お店で会えた方、いらっしゃるかな?