
大楽
そうなんです!
僕達が来ているのは福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」です。
11月19日・20日の2日間にわたって「ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2021」が開催!
去年も来たんですよね!

田巻
そうなんですよ、1年ぶりです!なんだかとてもワクワクしてきますね!

大楽
ほんとそうですよね!
ロボット・航空宇宙フェスタふくしま、毎年ここ「ビックパレットふくしま」で、この時期に行われていて、ロボット関連/航空宇宙関連の企業や団体が数多く出展されています。
その模様を3回にわたってお伝えしていきます。
今週はロボット部門に注目!
ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2021 ロボット部門
大楽
まずはこのイベントについて福島県次世代産業課 主事 佐藤圭汰さんにお話を伺っていきます。
佐藤さん、よろしくお願いします!
佐藤さん
よろしくお願いします!
ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2021 (robotfesta-fukushima.jp)

大楽
佐藤さん、福島県がこの事業を始められた経緯について教えていただけますか?
佐藤さん
福島県ですけれども、東日本大震災で産業にも大きな影響を受けましたが、いま政府の方で『福島イノベーションコースト構想』という国家プロジェクトが進められています。
このプロジェクトの中でロボット産業や航空宇宙産業の推進が目標に掲げられておりまして、このロボット航空宇宙フェスタも、そういった福島県内のロボット/航空宇宙関連企業を盛り上げていこうという思いでやらせていただいております。
大楽
開催が二日間ですがどのようなことが行われているんでしょうか?
佐藤さん
初日、11月19日はビジネス向けというふうにしておりまして。主に県内外から業界に携わる企業の皆さんにお越しいただいて、商談ですとか、技術交流の場として設定をさせて頂いております。
11月20日、二日目ですけれども、一般向けというふうに位置づけておりまして、主にご家族連れ、お子様をターゲットにして数多くの楽しい体験イベントですとか、メインステージでのイベントやダンスショーなどの催し物を用意しております。
田巻
佐藤さんはロボット部門のご担当ということですが、今回はどのような企業/団体が出展されていますか?
佐藤さん
今回、ロボット部門では80もの企業/団体様に出展をいただいております。
ねじや部品など、機械工業でロボット産業を支えるものづくり企業、それからドローンや医療関連、県外ですけれども手術を支援するロボットなど、最先端の技術をお持ちの企業様に多数出展をいただいております。年々、多岐の分野にわたった産業の発展に大変注目をしております。
大楽
そしてロボット産業ですが、福島県内の地元の人たちからの反応はいかがでしょうか?
佐藤さん
いまコロナ禍でこういったリアルでの展示会を非常に出来なくなっている中で、このロボットフェスタではコロナ対策を徹底してリアル開催をさせていただいてるんですけども。
企業関係の皆様からは、大変貴重な場としてご好評の声をいただいております。
それから、今日二日目、一般向けの日ですけれども、ご家族・お子様連れで非常に多くの方に来ていただいておりまして。体験イベントなど楽しんでいただきまして、私も非常に嬉しく思っております。
田巻
企業様から声をいただいたり、たくさんの方々が来てくださったり、嬉しいですよね!
そして福島の未来、ロボット産業の分野において福島県ではどのような発展を期待されていますか?
佐藤さん
福島県では、南相馬市にある福島ロボットテストフィールドなど国内のロボット産業を牽引する様々な施設や企業さんが揃っております。
是非、福島県がこれから日本を、それから世界を超えてロボット分野を牽引するという場所になってくれればいいなと思っております。
田巻
最後に、ロボット事業に関わる佐藤さんの想いについて教えてください!
佐藤さん
実は私、栃木県庁から復興支援の名目で派遣で来ておりまして。
大楽
そうなんですか⁉
佐藤さん
福島県の職員…ではあるんですけど栃木県の職員でして…!(笑)
先ほどイノベーションコースト構想という話もしましたけれども。こういうロボット産業の振興も、実は復興というのが第一のテーマに掲げられているんですね。
ぜひこのロボット産業で福島の復興を成し遂げて、福島が世界をリードする県になってくれればいいなと思っています。
大楽
栃木県出身の佐藤さんから、この福島県の取り組みってどういうふうに映っていますか?
佐藤さん
福島県は県庁レベルにおさまらない仕事というか…栃木県も負けてられないなと思いながら…!
いまは福島県のために全力を尽くしております!
田巻
我々も福島の取り組みを番組を通してしっかりと伝えていきたいですね!
大楽
そうですね…栃木県に負けてられないですからね…!(笑)
ということで、お話お伺いしたのが福島県産業課 主事の佐藤圭汰さんでした。
佐藤さん、ありがとうございました!
佐藤さん
ありがとうございました!

手術支援ロボット「hinotori」 : 株式会社メディカロイド
田巻
さあ!ロボット関連ブースに来ています。株式会社メディカロイド 山本さんです。よろしくお願いします!
山本さん
よろしくお願いします!
大楽
さっそくですが山本さん、こちらのブースでは何が展示されているんですか?
山本さん
手術支援ロボット「hinotori」を展示しております。
「hinotori」は、株式会社メディカロイドが製造販売をしております。
株式会社メディカロイドは、兵庫県の神戸市にございまして、ロボットやオートバイで有名な『川崎重工業』と医療機器試薬を販売する『シスメックス』の合弁会社として、2013年に設立した会社でございます。
大楽
手術支援ロボットというと、どうしても「ダ・ヴィンチ」というのが昔からあって。
田巻
イメージがついてますよね。
大楽
「ダ・ヴィンチ」はアメリカ発。そして日本では初めての手術支援ロボットということですね。
山本さん
そうですね。日本で初めての手術支援ロボットが「hinotori」ということになります。
田巻
いまこちら、目の前に展示されている大型のアーム型ロボットが「hinotori」なんですよね!

大楽
大きさは2 mぐらいですかね?
山本さん
高さ的には、今大きくしている状態で2mくらいあるかなと思います。
田巻
アームの先端に腕が4本付いています。そしてアルファベットで「hinotori」と書いてありますが、名前の由来を教えてください!
山本さん
「hinotori」と皆さん聞かれると、手塚治虫先生の『火の鳥』という漫画を連想されると思います。
手塚治虫先生は外科のお医者様でもいらっしゃいまして、『火の鳥』というのは先生が生涯ライフワークとして描いてきた漫画でありました。『火の鳥』は永遠の命というものをテーマにしておりまして、私どももこのロボットで命を救うサポートがしたいというようなお話。そしてロボットが人の代わりになるのではなくて、人に仕えて人を支えるロボットであるというお話を手塚プロダクションさんにさせていただきまして。
そのコンセプトにご賛同いただきまして、この「hinotori」という名前を採用させていただくことになりました。
田巻
素敵な名前ですね!
大楽
手塚治虫というと、僕はどうしても「ブラックジャック」も思い出すので、それをロボットで再現してくださったのかなと思いまして…!
「hinotori」の機能であったり、特徴を教えて頂いてもよろしいですか?
山本さん
手術支援ロボット「hinotori」は、4本のアームがついております。その4本のアームのうちひとつにカメラが付いていまして、これでお腹の中をのぞきながら、残りの3本で手術を行います。
先生の手は2本しかありませんので、基本的には2本で 行うんですけれども、もう一本を例えば邪魔なところに組織があったりですとか、そういうような時にもう1本のアームを取り出してきて、そのアームで邪魔なところをちょっと避けて固定して、その後また2本で手術を進めていくと。
今まではカメラをご使用される先生は別の先生で、また組織を抑えられるのも別の助手の先生でした。ですがこの手術支援ロボットはその操作を執刀医の先生がコントローラー…サージョンコクピットと言いますが、そのコントローラーを使って一人で実施することができる。それが手術支援ロボットのいちばんの特徴であるというふうに思います。
大楽
この目の前にある「hinotori」を一人で操作するということなんですね!
山本さん
もちろん助手として手術の先生は引き続きいらっしゃいますが、いまご説明した動作は全部執刀医の先生がサージョンコックピットと呼ばれる手術室の中の少し離れたコントロールするところから行います。

田巻
こちら先ほどのおっしゃっていた日本国内生産は初めてということですが、いつ頃からなぜこのようなロボットを作ることになったんでしょうか。
山本さん
会社の設立したのが2013年なんですけれども、そこから2015年まで医療用ロボットで私たちが何かできることがないかというようなマーケティング調査を行ってまいりました。
その結果、いろんな日本国内外のお医者さんから、こういう手術支援ロボットに関するニーズを伺って。じゃあ私達が産業用ロボットの技術や医療の治験経験を使って手術支援ロボットを作ろうということになりまして、2015年から開発を開始いたしました。
大楽
「hinotori」はもう現場では使われているんですか?
山本さん
実際の手術現場で、臨床現場で使われております。
大楽
どうですか、先生たちからの反応というのは?
山本さん
本当に国内外の先生方より、この手術支援ロボット開発にあたっていろんなご意見ご評価を頂戴しまして、皆さん応援して下さいました。
ですので、完成して実際にご使用いただいて本当によかったねというような…素晴らしい機械だというようなお褒めの言葉を頂戴して、私たちもホッとしているというような状況です。
田巻
そして最後に、株式会社メディカロイドさんの今後について教えてください。
山本さん
私ども、東北にこの実機を持って行かせて頂いて、かつ皆様にご覧いただく機会というのは今回初めてでございました。
今回の出展で、福島県内多くの医療機器に関するものづくり企業があるということを改めて実感致しましたので、これを機に福島との関係を深めることができたらと思いますし。いろんな企業様と一緒にオープンプラットフォーム体制で開発を進めていけたらなというふうに思います。
大楽
そうすると将来的には、福島でもメディカロイドさんの工場は作られる可能性もあるかもしれませんね?
山本さん
そうなったら、そこまで大きくなるように頑張ろうと思います。
田巻
応援しています!
株式会社メディカロイド 山本さんにお話伺いました。
ありがとうございました!
ドローン事業: 株式会社スペースワン
大楽
続いて、お話を伺うのが株式会社スペースワン ドローン事業部 新井さんです。よろしくお願いします!
新井さん
よろしくお願いいたします!
田巻
ブースには大きなドローンが展示されています。このドローン、背中にタンクがついていますが…これは何用ですか?

新井さん
これは農薬散布用のタンクになっておりまして、その中でも液剤と言いまして…水和剤と言いますけれども、水分を含んだものを散布するためのものとなっております。
大楽
スペースワンさんはドローンを使ってどんな事業を行っているんですか?
新井さん
現場に立って空撮業務を行ったり、点検作業のお手伝いをさせて頂くこともあるんですが。
主な事業としては人材育成というところでございまして、安全に使いたいという方のためのスクールというところですね。様々な農業用であったり空撮用のスクールの運営を行っているというところになります。
田巻
ドローンというと、法令化、法律の改正で新たな規制が設けられるそうなんですけど、なにがどうなるんでしょうか。
新井さん
まず、航空法という非常に重要な法律があるんですが、その対象となる重量がございまして、これまでは200g以上の重量が規制の対象となっていたんですが、100g以上というふうに大幅に変わると。
大楽
軽くなるということですね。
新井さん
軽い機体、おもちゃのような機体であっても規制の対象になります。
あとは、これまで機体を販売している側と購入する側も、結局誰がどこで買っててどこで保存・保管をしているとかそういった部分が結局わからなかったんですが、身元をしっかり明らかにするというところであったり、車のナンバープレートのような制度で警察や消防などが、誰が飛ばしているが即座に分かると。
機体認証、リモート ID という制度が来年の6月から12月にかけて始まるという形になります。
大楽
今まではそういったものがなかった、今後はこういった人がドローンを扱ってますよということを国が管理するということですね。
新井さん
はい、より明確にしていくために、より国として基準をはっきりさせるために新しく安全ラインというものを設ける制度だと思います。
田巻
ドローンというと、農業用や災害対応というニーズがあるかと思いますが、スペースワンのドローンスクールに来られる方ってどんな目的で来るんでしょうか。
新井さん
やはり建設関係者、測量ですとか、あとは農業ドローンを使いたいだとか、そういった方も非常に多くて。
分野的に一番伸びているのは点検分野。続いて伸びているのは農業分野と。その業界の方々が多くいらっしゃっています。
年齢的にも、40代から50代、それぐらいの方はかなり多いかなと思いますね。
田巻
20代も大丈夫ですか?
新井さん
もちろん大丈夫です!
最近は20代の男女、女性もかなり増えています。興味を持っていただけているのがよくわかりますね。
田巻
こちらのスクールってどのくらいの期間教わることができるんですか?
新井さん
初心者講習というものがありまして、こちら座学的なものを3、40分程度。1時間半から2時間程度の飛行体験という簡単でお手軽なものから。
本格的にライセンスを取得するための講習として二日間で行うものであったり、あと四日間であったりとか。農業ドローンだと五日間とるとか。内容によって少し分けてるんですけど。
田巻
それでも全て一週間以内なんですね!
新井さん
一週間くらいで終わるカリキュラムを組んでおります。
田巻
そう考えると興味が湧いてきました!
大楽
あとすごく重要な点だと思うんですけど、費用っていくらぐらいなんですか?
新井さん
例えば、初心者講習のようなものであれば、税込19800円という価格帯を多少下げてはいるんですが。ただ本格的なライセンスを取得するようなものになると、二日間講習で税込66000円であったりとか。四日間で受けるようなものですと20万円を少し超えてくるような、そういった価格帯でやらせていただくという形ですね。

田巻
ちなみに今後の株式会社スペースワンさんの展開などあれば教えていただけますか?
新井さん
来年の大規模な法改正によって、これまで民間が出していたライセンス制度、これに加えて国の免許制度というものも新しくスタートいたします。
これに向けて私たちも体制を変えていく必要がありますので、そういった部分の周知であるとともに、興味を持っていただける方に対して入り口の広さを持って柔軟に対応するというようなことを、もっとしっかりやっていきたいなというふうに考えております。
田巻
では最後に、これからドローンの資格を取りたいというリスナーの皆さんにメッセージがありましたらよろしくお願いします!
新井さん
いまドローンなどを使った空撮映像などは、テレビ等で多く流れるようになりまして、興味を持っていただいた方も非常に多いと思います。
これからの時代ますます使われていくと思うんですが、安全に使って頂くためにしっかりとした知識と操縦技術を身につけていただければと思いますので、興味があれば当スクールの無料説明会からご参加いただければと思います。よろしくお願いいたします!
大楽
ぜひ安全に使って頂きたいですよね。
お話お伺いしたのは、株式会社スペースワン ドローン事業部 新井さんでした。
ありがとうございました!

編集後記
●2021年11月19日・20日に開催されたロボット・航空宇宙フェスタふくしま2021。復興をテーマに、”ロボット業界で世界を牽引する福島”を目指す。
● 人に仕えて人を支えるロボットとして、人の命を救うサポートをする「hinotori」。日本国内生産初の手術支援ロボットが医療現場を支える。
●来年2022年、ドローンにまつわる法律が大幅に改正。安全に使用するための知識と操縦技術を持つ人材をスペースワンが育成する。
●福島の復興を目指す中で生まれたロボットたちが、医療や農業、撮影現場など身近なところで我々の生活を支えている。そう遠くない未来に福島発のロボットに出会える、あるいはもうすでに出会っているかもしれないと思うとわくわくします。
(HP担当)
田巻
今週はスタジオを飛び出して…福島で今一番熱い現場に来ています!