今回のゲスト:株式会社リード 営業部本部 菅家 幸次(かんけ・こうじ)さん

大楽
先週は、ダイヤモンドツールメーカーということでお話を伺っていきました。

大楽
今週は福島愛に溢れる菅家さんのお人柄にも触れていきたいと思います。

菅家さん
よろしくお願いします!

菅家さんの経歴
大楽
先週のお話にもありましたが、菅家さんは双葉郡の浪江町出身ということで。大学進学で宮城県へ移ったということなんですよね。
大学では専門が研削工学を学ばれていたと。
田巻
研削工学って初めて聞きました。
大楽
これはどういった学問なんでしょうか。
菅家さん
簡単に言うと、材料を切ったり削ったりする機械加工に関する勉強ですね。
大楽
それをなぜ選択したんですか?
菅家さん
昔からものづくりだったり、壊れたものを直すのも好きだったのでその道に進みたいなと思いまして。
大楽
壊れたものを直す時って研削が大切なんですか?
菅家さん
壊れたものに関しては、壊れた時のその状態の観察だとか、状態かどうなってるかが大事なんですけど、ものづくりに関してはやはり材料を切ったり磨いたりするってのは根本的に使うので。
昔で言うプラモデルですよね。ラジコンだとかつくるのが好きだったのでその道に進みました。
大楽
そして大学で4年間勉強されて、その後2003年に株式会社リードへ入社ということですよね。
最初から営業だったんですか?
菅家さん
実は最初の3年間は開発研究所にエンジニアとして働いていました。
大楽
最初はエンジニアだったんですね…!大学からの勉強からすると、菅家さん的にはエンジニアの方が歩みたい道だったんじゃないですか?
菅家さん
そうですね、もともとエンジニア希望で入ったんですけど。
亡くなった先代の創業者の社長から、社員旅行の時に何かイベントの時ステージ上でマイクパフォーマンスみたいなことをしていて、「もうお前営業がいいな。」と。という一言で決まったんですね。
僕も最初何か冗談かなと思ったんですけど、その3ヶ月後に正式な辞令が出まして。ただ、お客さんから教えてもらうことが多いので、思い切って飛び込んできました。
大楽
それが2006年ぐらい。
菅家さん
そうですね。

田巻
ちなみに、入社後の福島との関わりはどうだったんでしょうか。
菅家さん
母親と兄夫婦が南相馬に住んでますし、実の兄が浪江の道の駅で働いてたりしていて。
田巻
そうなんですか!
大楽
我々先日行ったばかりですよ!(笑)
菅家さん
ゆかりはありますし、コロナ禍の前はしょっちゅう帰ってましたね。
田巻
お仕事ではどういった関わりがあったんですか?
菅家さん
福島工場の立ち上げ、それからなんとか商売に結びつくように、私は営業なので国内外飛び回ってダイヤモンドワイヤーが売れるように活動しておりました。
営業面での大変さ/面白さ
大楽
このダイヤモンドワイヤーの営業責任者ということですけど、営業面での大変さとか面白さとか教えていただいてもいいですか?
菅家さん
自分が10個思っていたら、1個か2個ぐらいしか思った通りにいかないですよね。
というのも、もちろん競合他社もいますし、なかなかスムーズにいっていた所もうまくいかないんですけど…。
ただそれでもお客さんから、例えばリードのおかげでうまくいったとか…そういった言葉をもらうだけでも営業としてはすごく嬉しいなというのもありますね。
田巻
ちなみに質問なんですけど…営業が取れるポイントというかコツみたいなのってありますか?
学生目線なんですけど、私ちょうど大学4年生で、みんな就活が終えた状況で結構営業の人が周りに多いんですけど、ちょっと気になってしまって…(笑)先輩にお聞きしたいなと!
菅家さん
15年近く営業をやらせてもらってるんですけども…。
お客さんから信頼を勝ち得るためにどうすればお客さんが喜ぶか、例えば値段とか製品の特性以外に対応の速度があったり、きちんとしたメールだったりすぐに返信してあげたりだとか…レスポンスって言うんですかね。その辺りが大事になるかなと思います。
大楽
速度ですね。
田巻
人と人ですしね。
菅家さん
見積もりを欲しいと言われたら、二日以内に出すだとか。社内での調整は大変なんですけど、お客様を待たせるわけにはいかないので。
大楽
今いただいた言葉を胸に…!
田巻
メモります…レスポンス!ありがとうございます!
株式会社リードの未来
大楽
将来の話になるんですけど、菅家さんが描く株式会社リードの未来についてお話ししていただいてもよろしいですか?
菅家さん
これは私個人の意見ではなくて、会社全体で考えていることなんですけど。
例えば、我々2年前ぐらいからエンゲージメント活動というのを実は推進してるんですけども。社員と会社の結びつき、相互に成長していくような仕組みづくりというものを指しています。月に1回、外部の講師を呼んでセミナーを開いたりだとか。
簡単なところの効果でいうと、雑談ですよね。雑談をすごく大事にしてます。
大楽
雑談ですか。
菅家さん
部下だったり上司と話をする前に、ちょっと雑談を入れてあげる事によって、その業務の仕事がスムーズに行くことが多い。そういったものを大事にしてます。
大楽
雑談って大切ですね。相手の状態を確認する意味も含めて。
菅家さん
対話を非常に大事にします。話すこと。話すことによってお互いを理解する。
エンゲージメント活動の一部に、「相手の強みを知る」と。今まで、ミスしたり墓穴掘ったりした時にそこばかり注意したりするんですけど、そうではなくて相手の強いところをもっと伸ばしてあげる。チームで相互フォローする。
野球で言えば、エラーするだろうなと思った時に、元々バックアップでフォローしてあげれば大したミスにならないので。

大楽
菅家さんが福島の浪江町出身ということなので、そして2015年に福島工場ができたということがあるじゃないですか。そこで、復興と福島の未来についてどうお考えなのかなと。
菅家さん
福島にせっかく工場を建てたので、福島の工場からまだダイヤモンドワイヤーを使っていない市場ってたくさんあるんですよね。そういう市場に、少しでも販売できればいいなっていうのと。
まだまだこれから新しい材料って生まれてくるので。切りづらい、削りづらい材料であるとか、出てくるので。そういうところに私どもの商品が関わっていけばいいなと思っています。

日本のものづくりの未来
大楽
もう一つお伺いしたいんですけど…。
ものづくりの営業として考える日本の将来についてお伺いしてもいいですか?
菅家さん
私が考える日本のものづくりなんですけど。
本来日本のものづくりの強みですよね。どこにあったかって言うと「現場の改善力」にあったんだろうなって思ってますね。
大楽
現場。
菅家さん
現場の。例えば少しでも歩留まりをあげるだとか、少しでも効率を上げるだとか。
歩留まり…製造 など 生産 全般において、「 原料 ( 素材 )の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた 製品 生産数(量) 比率 」のこと(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A9%E7%95%99%E3%81%BE%E3%82%8A
ちょっとずつちょっとずつ改善、そこが日本のものづくりの強みだったんですね。
例えば私どものみたいなツールメーカーに、少しでもパーツの薄いものを欲しいだとか、少しでも切断速度が上がるものを教えてだとか。そういう工夫を重ねてきたのが日本のものづくりの強みだと思っています。
ただここにきて、他国と比較してではないんですけども、圧倒的なボリュームで攻めてくる国々もあったりとか、大分日本のものづくりも停滞気味って言われてはいるんですけど、まだまだそんなことはなくて。
ここに私どもの考えるのは、単なるダイヤモンドツールだけではなくて、今で言うところのデジタルトランスフォーメーション… DX っていうような新しいサービスを深くすることによって、ツールだけじゃなくてツールを売ってその加工ソリューションを改善しながら使いやすくしてあげると。そういうサービスもできれば、いろんな日本のものづくりっていうのは復活してくるでしょうし、期待は十分持っていいんじゃないかなと思います。
大楽
なるほど、作ったものを一回売っただけではなくて、そこに対してアップデートするということを一緒に考えていくということですね。なるほど。
田巻
積み重ねなんですね。
二回にわたり、株式会社リード 営業部本部 菅家幸次(かんけ・こうじ)さん にお話伺いました。
ありがとうございました!!
田巻
今週も株式会社リード 営業部本部 菅家幸次(かんけ・こうじ)さんにお話伺っていきます。