【東芝エネルギーシステムズとこれからの水素社会】2021年8月14日放送分

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今週のゲスト:東芝エネルギーシステムズ株式会社 
水素エネルギー事業統括部 事業開発部 
山根史之(やまね・ふみゆき)さん

大楽

先週はですね、福島県浪江町にある福島水素エネルギー研究フィールドのお話と、そもそも水素エネルギーとはなんぞやというお話。

二人とも、よくわかりましたね!

【水素エネルギーと福島】2021年8月7日放送分

田巻

本当に勉強になりました!ありがとうございます!

ということで、今週もまだまだ知らないことだらけの水素について、そして山根さんが描く水素社会についてお話いただきたいと思います。

今回もリモートでお届けしていきます。山根さん、よろしくお願いします!

山根さん

よろしくお願いいたします。


大楽

そもそも山根さんが水素エネルギーの研究開発をするようになった理由ってお伺いしてもよろしいですか?

山根さん

はい、わかりました。

もともとですね、私は半導体の研究者でして。水素とは特にかかわりはなかったんですけども。
いろんな業務をやっている中で、交通シミュレーションとか交通計画っていうものも私の研究テーマの一つになっていました。

具体的にどういうものかというと、オリンピックとかでどういうふうに車を配車したりどう走らせたらいいのかっていうことをシミュレーションする技術があるんですけども。
取り組んでいた時にですね、バスの中で電気で動く電気バスと、あとは燃料水素で動く燃料電池バス、あと普通の燃料で動くディーゼルバスというものを混在させて、いろんな配車計画を立ててみたと。
そうした時に、水素を使ったバスが非常に効果的だということがわかったと。 

その結果を社内で報告会があった時にしたらですね、水素をやってる事業部の方から「一緒に研究をやりたい」ということで、水素に関わる事になったという形になっています。

なので、一般的には大学で水素を勉強して、そのまま水素をやります…っていう方が多いとは思うんですけども。私の方はそういう形というよりも、水素バスとかとのかかわりがあって、それで水素に関して研究するようになったという形になります。

田巻

ちなみに水素エネルギーの開発の魅力ってどんなところにありますか?

山根さん

やはり裾野が非常に広いということ、水素の展開先が非常に考えられるというのと、ポテンシャルが高いなという風に思います。
いろんなところで使えますし、先程のFCバス(燃料電池バス)の話一つとってもですね、燃料としても使いやすいなと。

そして今後の将来を考えると、基本的に水素を使っていかないと、カーボンニュートラルというのは実現ができないと思っておりますので、その点で将来役に立つ技術を開発するという意味で水素エネルギーは面白いと思っております。

山根史之さん

大楽

水素エネルギーというのが、今開発されているなかで3つあると私お伺いしまして。 

グリーン水素であったりブルー水素グレー水素というものがあるかと思うんですけど、具体的に一つ一つの特徴ってお伺いしてもよろしいですか?

山根さん

まずグレー水素というものが、今の日本で使われてる水素の基本になります。
何かしらの CO2を出して水素を作っている、というようなものになります。

大楽

CO2が発生してしまう、ということですよね。

山根さん

そうです。CO2を出しながら水素を作ってると、その水素はグレー水素ですという言い方をします。

ブルー水素っていうのは、 CO2 を出すんですけども、その CO2 を地中の中に回収して埋めてしまうとか、大気中には CO2 は出さないというような形にして、 CO2 は出しているんだけども埋めたりして大気中には出していないと。この水素のことをブルー水素という風に呼んでいます。

最も価値が高いというところと、これからの世界の主戦場になってくるのは、グリーン水素になりまます。
これは例えば再生可能エネルギーと CO2 を全く出さない電気から電気分解をして水素を作ると、その水素は CO2 を全く出していませんので、そういうものをグリーン水素という言い方をしています。

大楽

世界的にはもちろんそのグリーン水素の方に向いているということですよね。

山根さん

特に EU の方はですね、もう「グリーン水素以外は水素でない」っていうのもおかしいんですけども、要はグレーとブルーっていうのはもう将来的にはなくなるという風に言ってもいいと、EUはもう強く言ってますね。

なのでヨーロッパの、 EU の方で水素っていうと基本的にグリーン水素を意味しているという形になります。


田巻

水素エネルギーがもたらす未来。山根さんは一体どんな社会になると思いますか?

山根さん

ふたつのフェーズがあるんじゃないかと思っています。

最終的なフェーズというのは、水素とか、そういったことを考えなくてもいいと、もう気づかなくてもいいようになってほしいと。

例えば水素はいろんなところで使われていて、 CO2 フリーだとかですね、カーボンニュートラルにはものすごく貢献してるんだけども、もうそれはもうありふれた世の中ですという風に思ってもらえるほど普及するのが、成功だろうなというふうに思ってます。

その手前のフェーズはですね。ちょっと今お話しした内容と逆になってしまうんですけども、
どちらかと言うと水素が目立つ世界かなと思っています。

ある意味、グリーン水素とかそういったものが普及をして、車が走るとか、いろんなものが作られるというようなものをどちらかというと皆さんに広く知っていただいて、認識をしていただくフェーズかなと思っています。

そういうことをやることによって、グリーン水素から作られているものを積極的に使っていただくとか、そういった皆さんの活動を少しでも変えることができればというのが最初のフェーズで。
その後はもう自然に、皆さんに選んでいただくということもなく、もう全てがそういう風になってる時代、そんな感じのことを考えています。

大楽

7月に石川さんにお話を伺いした時に、太陽光発電事業というのが日本では第3位だと。世界的に見て日本は第3位なんだよってお話をされたんですけど。

【石川和男さんから学ぶ「再生可能エネルギー」と福島】2021年7月10日放送分


水素エネルギーって世界的規模で見て、日本ってどのぐらいの位置にいるんですか?

山根さん

一二を争っている段階だというふうに理解してます。

国が水素の基本戦略っていうものを出したのは実は日本が一番初めてなんですね。
水素をこういう風に使って行きますとか、何年にこのぐらいの内容を実現しますと出したのは実は日本が世界で初めてでして。

その後ですね、日本が水素閣僚会議というものを毎年開いてるんですけども。

世界初!水素社会の実現に向けて閣僚レベルで議論する「水素閣僚会議」|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)


世界の経済産業大臣クラスの方々が集まって、トップ企業も含めて、いろんな水素社会に向けた取り組みの説明とか課題の共有とか…そうした水素閣僚会議を毎年日本でやっているんですけども、それも日本が初めて行って、今も続いているというところです。

講演:水素閣僚会議2020(主催:経済産業省/NEDO):特集・トピックス:水素エネルギー | 東芝エネルギーシステムズ株式会社 (toshiba-energy.com)

なのでいまのところ日本が一番そういう取り組みも進んでますし、技術についても進んでいると。

それを猛追してきてるのがEUだというふうに理解しています。


いろんな計画書みたいなものをEUが出したり…あとはドイツが出したりとかしてますし。
あとお金の資金援助、研究開発に対しての資金援助も含めてヨーロッパはものすごい金額を投入してると。
そしてコロナからの復興に関しても水素に注目をしててそこに集中的に投資をしようとしてるということがありますので、一二を日本とヨーロッパで争っているというふうに理解をしています。


大楽

今、山根さんが携わっている福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)
こちらの未来、展望はどういう形になるんでしょうか。

福島水素エネルギー研究フィールド:FH2R(NEDO事業)
本事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」事業として実施しています。

山根さん

色んな関係者がいらっしゃるので、どうなりますと一概に言える話ではないんですけども。

個人的な思いとか方向性っていう観点でお話ししますと、
FH2Rはずっと研究開発拠点で最先端のものを進めて行く場所になるという風に思っています。

今回の設計も含めて、かなり拡張性が高くしてありますし、これから設備が増えてもある程度対応できるような余裕をもって作っています。

やはり水素を扱うと安全性の話も出てきますので、ああいう広い場所で、安全な場所でいろんな研究とか試験ができるというのは非常に良いことだと思いますので。

今後この先かなりの期間、FH2Rは最先端の研究開発拠点になるというふうに思っています。

二回にわたって、「東芝エネルギーシステムズ株式会社 水素エネルギー事業統括部 事業開発部 山根史之(やまね・ふみゆき)さんに お話伺っていきました。

ありがとうございました!

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