【eロボティクス】2021年6月12日放送分

今日のゲスト:株式会社eロボティクス 板羽昌之さん

田巻
今週は福島県南相馬市原町区に本社を持つ、株式会社eロボティクスに注目していきます。
こちらの会社は福島県浜通りを中心にロボティクスやAI技術で様々な極限作業現場などで働く人を技術でサポート安心安全に暮らせる持続可能な社会づくりに貢献する、そのような事業展開をされていらっしゃいます。 

株式会社eロボティクス
https://www.e-robo.jp/index.html

大楽
極限作業現場と言うと最近ではコロナ禍で最前線で活動している医療現場の方々ですよね。そんな方々を含め様々な現場環境がありますが、こちらの株式会社eロボティクスさんは、ドローンを使った環境調査事業、そして最近では医療用の陰圧クリーンドームの開発で話題になりました。
そこで今回は株式会社eロボティクス代表取締役板羽昌之さんにお話を伺っていきます。板羽さんよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

大楽
まずは今注目の分野の話からお伺いしたいと思うんですが、医療用陰圧クリーンドーム、耳馴染みがないかもしれませんが、写真とかニュースで最近目にした人も多いかと思います。

これは今新型のコロナウイルス対策のため医療現場の最前線で使われている簡易型ドームということなんですが、そもそも陰圧ってこれどういう意味なんですか。

板羽さん
はい。陰圧は一般の環境、我々が存在している環境よりも少し圧力を低くした空間を作って、風の流れを強制的に起こしてあげるというようなものが陰圧と言われてます。

大楽
なるほど。作ることによってどんなことがあるんですか。

板羽さん
今回で言えば患者さんの頭部の周りですね。呼吸域のところを陰圧にしますと、患者さんの呼気、咳をしたりする時の飛沫が、外に拡散しないというところが特徴です。

大楽
広がらないということですね。そして可搬型陰圧クリーンドームハッピーバード』というのが正式名称でして、この可搬型っていうのは持ち運びができるということなんですよね。

コロナ対策の新たなケアモデルに。使い捨ての手軽な陰圧ドーム
https://careit.jp/product/20210430/

板羽さん
例えば救急車で搬送する時はストレッチャーで救急車に乗せる時にも追随できるような軽量コンパクトで持ち運びできる軽さを備えてます。
陰圧にした空気は一般的に私たちはHEPAフィルターって呼んでるんですけども、99.97%の除去効率があるフィルターで患者さんの呼気をろ過してそれを排出しています。

大楽
今スタジオの方にもお持ちいただいたんですけど、正直こんな簡単なと言うか。頭部部分は段ボールで作ってあるんですよね。

板羽さん
当初はがっちりしたプラスチックのようなもので作ったんですけども、それは一回一回消毒しなくちゃいけないんですよね。患者さんが変わる都度。
で、ある病院の看護部長さんからの要望で、その部分に関して使い捨てにできないかとお話があって。使い捨てにするんだったら紙だろうなというところで、実は鳥取大学のベンチャー企業にこの折り紙を、段ボールをしてそういった容器を作ってる会社がありまして、そこと連携して作ったものが『ハッピーバード』なんですね。
ですので、『ハッピーバード』という名称も、島の福がハッピーで取の鳥がバードなんで、それでハッピーバードと命名したわけなんですよ。

大楽
持ち運びも便利で電源も一体化ということですが。

板羽さん
はい。今充電式のバッテリーも使えるんですけども、常に充電しとかなくちゃいけないんで、新品の単一の乾電池8本でおよそ1時間ぐらいもつ、というようなとこなんですね。それ以外に固定的に使う場合については、固定の電源の所にコンセントを差し込めば何時間でも運転できますんで、そういう風に使い分けてるようなところがございます。

大楽
既に使用されている自治体とか企業様があると思うんですけど、どのような声が届いてらっしゃいますか。

板羽さん
今までであれば、救急車の中全体をビニールシートで養生して、患者さんが病院の方に入って入れ替わると、全部シートで養生したものを撤去して消毒しなくちゃいけない。
それが患者さんの周りだけ囲ってあれば、それを撤去してそのストレッチャーの上だけを消毒するというような形でかなり手間がかからなくなったというところですね。

田巻
実際に最前線で活躍されてるんですね。ちなみにこのドームの中は苦しくないんですか。

板羽さん
陰圧にしてる分通常外から空気が入ってきますんで、苦しいとかはないですね。

大楽
この可搬型の陰圧クリーンドーム『ハッピーバード』というものを開発されましたが、開発の途中段階でどんな部分が苦労されましたか。

板羽さん
私たちとしては「これでいいんじゃないか」と思ってた仕様が、お客様にお使いになっていただくと、様々な意見が出てくるんですよね。でどこまでそれを製品の方に反映すれば使っていただけるのかっていうのが、3か月くらい。これで完璧と思ったんですが、その後部分改良したりして、なかなかその最終版ができてこなかった。できるまでに時間かかったというところが非常に頭が痛かったですね。

大楽
そういった声にちゃんと答えて改良版を諦めずに作ったってことですよね。

板羽さん
はい。それは諦めませんでした 

ドローンを使って環境調査

大楽
今週は、福島県南相馬市原町区に本社を持つ、株式会社eロボティクス代表取締役板羽昌之さんをお迎えしています。前半では医療分野でのご活躍に注目しました。後半はドローンを使った環境調査のお話を伺っていきます。

田巻
ドローンを使った環境調査、具体的には現在どのような調査を行っているのでしょうか。また特徴も教えてください。

板羽さん
ドローンの利点とは人の行けないところにロボットとして行ってくれる、というところですかね。
特に私たちドローンを使った環境調査では、上空の気象とか、あとは火山が噴火した時の噴煙の流れとか、化学工場が例えば万が一爆発した時にどっち方向にどのくらいの量の有害物が飛散してるかというような調査が可能になるんですね。
通常であればその測定点は地上に置いてあって、火山が例えば噴火した時ってそれを飛び越えて周辺の所に拡大するじゃないですか。化学工場なんかも。だからそういったところでは発生してるレベルと同じ高さまでドローンを飛行させて、そこで直接その空気をサンプリングして計るっていうのができるようになったんですね。

田巻
風とか雨とかに負けないんですか。

板羽さん
そこが重要なポイントで、小さいドローンはそれだけ止まっていようとする力がないですから、おおよそ風に関しては風速10 M くらいが上限になってくると思いますね。あと雨については電気系統のいろんな部品があるんで、そこの防水性と、あんまり防水性高くしちゃうと熱がこもっちゃいますからそこの塩梅を見ながらですので、なかなか難しいですね。

大楽
ドローン自体が隊列飛行させるシステムとお伺いしたんですが。

板羽さん
今火山の例を出しましたけども、どっち方向に噴煙・粉塵が流れてるかは、例えば火山の噴火口の四方にドローンをホバリングさせて、そこで空気を採取します。それぞれの濃度分布を後で調べることでわかります。
あとは例えば立方体状にドローンを隅に置いとくと、例えば竜巻が起こる瞬間というのは局部的に大きな気圧の変化が起きてるはずなんですね。そういったところを、空間を3次元で捉えてそこの気象情報を一気にそのリアルタイム取るということが今後可能になってくると思うんですよ。

大楽
なぜドローンを使った事業展開をされたんですか。

板羽さん
ドローンっていうよりも、ロボット、ロボティックス、 AIというところで。
元々私は原子力の技術屋だったもんで、福島の事故で停止するまでの間側面からサポートしたんですけども、結局人が中に入らざるを得ないような状況だったじゃないですか。あれはやっぱりロボットに行ってもらって、人が行ける状況なのかをロボットに調査してもらって、戻ってきてその結果をもって人が中に行くとか、どういう装備を付けていけばいいかっていうところでやっぱり必要性を感じました。
現場の状況を正しく確認するというところで、一つはドローン。空だったらドローン、水中だったら水中ドローンがあるんですよ。陸上だったら例えば地中ってのはどうなってるかまたわかんないじゃないですか。これは例えばサンダーバードってご存知ですかね、ドリルで地中に入っていく。ああいう物が出てくると、地中で何が起こってるかってのが分かるんですね。だから陸海空においてロボットに人が行けない場所に行ってもらって、調査してもらう。

大楽
ご自身でそういった経験があって、その現場に入れなかったもどかしさとかそういったものが今の仕事につながってるということですね。 

エンディング

今週は株式会社eロボティクス代表取締役板羽昌之さんにお話を伺いました。来週も引き続きお話を伺っていきたいと思います。