【銀座農園】2021年1月23日放送分

大楽
おはようございます。FirstMaker~希望のストーリー~。大楽聡詞です。この番組は、新しい時代を切り開き、日本に新たな産業を起こそうとしている企業や研究者にスポットを当て、彼らが目指す未来をお聞きし、震災の復興、そして新しい産業のリアルタイムな情報をリスナーの皆さんに感じてもらおうという番組です。

そして番組アシスタントはこの方。

大学三年生の田巻果奈です。よろしくお願いします。

大楽
よろしくお願いします。さて、今月から岩手、宮城、福島、茨城、そして千葉と、太平洋沿岸地域の皆さんにもお届けしています。

私の声があちこちに聞こえていると思うと緊張します。

あんまあちこち聞こえてないです。

え?5局で聞こえてるはずです。

そうなんですよね。番組のウェブサイトには田巻さんの写真もありますので是非チェックしてください。こんな人、こんな方。

恥ずかしい。

それにしてもラジオって声しか届かないのがミステリアスで面白かったんですけど、今もうウェブとかSNSですぐね。わかっちゃいますから、顔とか。

確かにそうですよね。でも私は、物心ついた時からインターネットがあったんで、何かそれが普通なんですよね。

あれ……。ちょっと今disられた。

ちょっと何かジェネレーションギャップ感じますね。

なるほどね。まあ東日本大震災があった10年前は田巻さん小学生じゃないですか。

そうなんですよね。

僕はもうそのとき完璧おじさんだった。大人だったんで。

大人だったんで。

そうですね。

まだまだ若いんで。

ありがとうございます。その言葉をいただきました。そんなコンビで今日もお届けしたいと思います。

今日のゲスト:銀座農園 飯村一樹さん

大楽
FirstMaker~希望のストーリー~今週も先週に引き続き、スタジオに銀座農園株式会社の代表取締役飯村一樹さんをお迎えしました。飯村さんよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

大楽
この銀座農園さんは、ITやAIを駆使した農業に関するロボットなどの研究開発をしているというお話を先週お伺いしました。農家の右腕になって農作物のデータを収集したり、作業の補助などを行う頼もしい相方というのが、FARBOTというロボットなんですよね。

飯村さん
はい、そうですね。ロボットというのは農業に限らず、世の中に役立つ機械でもありますので、データを収集する、そしてそれを分析する、というのがその手段の一つとして考えております。

大楽
なるほど。

大楽さん、田巻さん、今農家が直面している問題って何かわかりますか。

農家さんの担い手が少ないとか、あと高齢化の問題ですかね。

飯村さん
はい、そうですねまさに農家は今担い手が少なくなってきておりますし、高齢化も進んでいるので、農家だけではなくて、そこに新たなプレイヤーが必要だというふうにされているので、非常に企業が農業に参入する事例が増えております

大楽
企業がですか。会社が農業に参加するっていうのはちょっと、僕は今までイメージ的にないんですけど、今までとは違ったものになるんですかね。

飯村さん
企業ですと、人材の教育とか、管理とかですね、非常にそのルール化がされていて、あとはデータ化もみなさんひとつ、当たり前のような考えになっておりますので、そういうマインドの方が農業に入ると必然的にデータ化が進んだりする。のでですね、メリットは結構あると思ってます。

大楽
ということは例えばですけど、農業って天災とかがあると、作る量ってその年々によって結構上下するっていうような僕のイメージなんですけど、そういう企業が入ることによって、できる個数であったりとかが毎年なるべく一定水準に保たれるっていうことになるんですかね。

飯村さん
はい、データ化をすることでそのような不安定な部分を少しでも減らしていこうということは可能になってきます。

大楽
なるほど。ただあの工業製品の工場のように農作物ってやはり気候とか不安定な要素とかがあるので、効率化ってちょっと難しいような気もするんですけど。

飯村さん
そうですね、簡単ではありませんけども、やはり過去の実績みたいなものをフィードバックしていきながらですね、最初の情報をアップデートしていくと、少しこう傾向が分かってくるというんでしょうか。

大楽
飯村さん、あの、具体的に今の現状何かをちょっとお伺いしてもよろしいですか。

飯村さん
はい。例えばある電力会社と一緒に農業の準備をしておりますが、今までのやり方ではない栽培方法を一緒に考えています。その方法が何かって言うと、今までの栽培方法が人間を基準に考えて栽培をしていました。例えば身長160cmくらいのおばあさまが作業しやすいように。でもロボットになると2mでもいいんですね。

大楽
なるほど。

飯村さん
そうすると単位面積当たりの生産量が今まで1.6mまでしかできないところを2mまで伸ばせるだけでものすごく効率が上がったりします。

田巻
確かに。

大楽
なるほど。じゃあそこが例えばですよ、ハウスの高さを3m、4mに上げていくと、そこの分だけできる量も変わってくるってことですよね。

飯村さん
はい。日射量が1%変わると収穫量が1%変わるというくらいですね、光の量を入れるだけで収穫量が変わりますので。

大楽
それも研究でわかるんですか。

飯村さん
はい。今まで本当に人間の方が手が届く範囲でしか作業を考えられなかったと。

大楽
なるほど。じゃあ頑張っても160、170ぐらいってことですよね。

飯村さん
はい。

大楽
じゃあ企業がこう色々入ったほうが、とる量ってのは増えるんですかね。

飯村さん
とる量も増えますし、楽に作業するために考えていきます、皆様。

大楽
そっか。企業としてやらなくちゃいけないってことですよね。

飯村さん
そうです。

大楽
会社としてやるからですね。なるほど。じゃあその企業が入ってくるということプラス、農家さんが今まで持ってた経験であったりとか勘、それを飯村さんたちが先ほどで言うと可視化したりとか、データ化することによって、僕たちの手元にはおいしいものが将来、ずっと未来永劫続くってことですよね。

飯村さん
そうなると思います。

大楽
すごいことをされてるんですね。

田巻
すごいですねほんとに。

飯村さん
10年かかりました。

大楽
先週お話いただいた銀座に畑を作ったのは間違いじゃなかったですね。

飯村さん
はい。

田巻
そこから来てますもんねすべて。

大楽
人間間違いから絶対成功すればそこは間違いにはならないと思うので。

田巻
確かに。

大楽
今までの中で飯村さん一番いい顔してますね。

飯村さん
ありがとうございます。

大楽
でもその『下町ロケット』の話じゃないんですけど、あのテレビドラマでは、感動的なシーンを演じたロボットを実現してるじゃないですか。それって飯村さんのロボットも同じ形になるってことですか。

飯村さん
はい、もう少し開発が進めば、1人の人間で5台のFARBOTを動かすことができますので、

大楽
1人で5台までいけるんですか。

飯村さん
群制御という技術がありまして、まあドローンも中国とか群制御で綺麗に操ったりしていますけれども、我々のロボットも小型ロボットですので、それを5台、10台動かすと、1人の人間が操れる面積が5倍、10倍に増えるので

大楽
じゃあもしかして、自分たちはそんなに作業しなくても、タブレットを持って、例えば畑1、2、3、4、5とかって、畑ごとにFARBOTを置いてですよ、タブレットを操作すれば、その分だけ収穫量も増えるってことですよね。

飯村さん
5年後にはそこまで行きたいと思ってます。

大楽
5年後かあ……でも近いですね。

田巻
近いですね。

飯村さん
頑張ります。

大楽
そうですよね、今まで10年かかった人なんですから。まあ半分でいけるってことで。

田巻
そうですね。

大楽
なるほど。わかりました。じゃあ後半はですね、現在の研究状況ですとか、今後の夢についてお伺いしたいと思います。

実験農場での取り組み

大楽
さて今日は先週に引き続き銀座農園株式会社飯村一樹さんにお話をお伺いしています。田巻さんのほうから飯村さんに聞きたいことがあるという。

田巻
はい。銀座農園さんは、実験農場もお持ちなんですよね。

飯村さん
はい。茨城県下妻の方で、果樹の実験農場を3か所、持っております。

田巻
へえ~~。3か所。

大楽
すごっ。

飯村さん
例えばその、我々実験してるのはちょっと変わっておりまして、ちょっと逆に質問なんですけれども、通常種をまいて土にまいて、食物をつくると思うんですが、それどういうふうなイメージを持たれますか。田巻さん、例えば。

田巻
まず、第一に栄養豊かな土に種をまいて、毎日毎日心を込めてお水をやる、が基本かな、なんて思いますけど。

大楽
心を込めてね。

田巻
そう、心を込めることが大事。

飯村さん
そういう農業もこれまでやっておりますが、我々の実験農場はシートの上でブドウを育てています

田巻
シートの上。

飯村さん
はい。

田巻
土要らないってことですか。

飯村さん
土は少しだけです。バケツの土くらいの。

大楽
それでブドウってできるんですか。

飯村さん
シャインマスカットを作ってます

大楽
シートですよ。

飯村さん
はい。シートの上です。

田巻
どうなってるんですか。

大楽
どうなってるんだろう。今まで僕が見てきたブドウの作り方の教えてもらったのとは全然違うぞ。

飯村さん
ブドウも腰の高さに綺麗になってます。

大楽
え、腰の高さに来るんですか。

田巻
あ、統一されて。

飯村さん
はい。

大楽
それってどう……見てみたい。

田巻
イメージつかない。

大楽
イメージもつかないですし。

飯村さん
これができるとですね、今まで土ですと4年くらいかかるんです、収穫まで。果物ってのは。野菜は種をまけば1年で実がなるんですけど、果物は木ができるまで4年くらい実がつかないです。そうすると4年間無収入なんですけども、我々シートの上でつくってますけども2年目で実がついて、2年間短縮できてるんです。

田巻
えー、すごい。

飯村さん
木は小さい木になります、その代わり。

田巻
どうやって調節できるんですか、高さとか。

飯村さん
高さは人間が誘引をして枝を作っていくんですけども、

大楽
自分で作るんですね、人間が。

飯村さん
で全部腰の高さにブドウがなるように仕立てるので、綺麗に腰のところに、実が綺麗になっていきます。そうすると採るのが楽なんです。

大楽
確かに。そうなんですか。

飯村さん
そういう実験をしています。

大楽
それはどういう発想からそういうふうに行きついたんですか。

飯村さん
農業をどれだけ楽にできるか、農業をできるだけ人が苦労しない農業が何かというのを常に考えていまして、

大楽
着眼点が違うんですね。

飯村さん
かもしれないです。そうなると、コンクリートでも砂利の上でもブドウができますし、今年のシャインマスカットは糖度が29まで出ました。

大楽
通常どのくらいなんですか。

飯村さん
シャインマスカットは20度で出すんですね。出荷するんですけども。

大楽
じゃあかなり甘いシャインマスカット。

飯村さん
もうものすごい甘いです。実食をするとみんなびっくりします。

大楽
じゃあ今までとは違ってお金が少しかかったりとかする、そういうのはどうなんですか。人間の手がわずらうとそういうことはないんですか。

飯村さん
少しだけ設備投資はかかりますけれども、やはり長い目で見ていくと作業が全然楽なんですね。通常この肩より上に手を上げると結構疲れるんです。肘を肩より上に上げるのってすごく疲れて。

大楽
農家の人結構肩こりすごいって言いますもんね。

飯村さん
腰もやられてしまう。

田巻
腰痛……。

飯村さん
そういうものを全部腰の高さにすると、

田巻
かがまなくても済むしってことですか。普通に立ったままできるってことですよね。

大楽
なるほどね。

飯村さん
そういう実験をしている農場ですね。

大楽
シャインマスカットがね、茨城県の、下妻市で作られているってことですもんね。

飯村さん
はい。

大楽
茨城でお聴きのみなさんに身近なところで近未来の研究をしていることがお分かりいただけたんじゃないでしょうかね、飯村さん。

飯村さん
はい、あとですね、細かい場所は言えないんですが、茨城県内ではJAXAからの、宇宙、月面農場のプロジェクトの実験農場も今運営しておりますので。

大楽
月面農場。

飯村さん
はい。月面を想定した栽培システムですね。だから完全無人による、種をまいて水をあげて収穫までを無人で行うための開発も今、しております。

大楽
茨城でですか。

田巻
ええ、だって月で農作物ってそこで住める環境を作るってことですよね。

飯村さん
はい。月面ですと、アルテミス計画というものが昨年比準されて、これからは月面活動がメインになっていくので、そこで食糧を確保しないといけないということでの動きですね、今回は。

田巻
すごい。

大楽
それが茨城、

飯村さん
のとある場所で。

大楽
それ以外に福島の方でも。

飯村さん
はい。福島県でも現在福島ロボットテストフィールドの周辺で農業ロボットの研究開発をさせてもらっております。

福島ロボットテストフィールド
https://www.fipo.or.jp/robot/

田巻
えー!この間私たちもそこに行きました。

【福島ロボットテストフィールド】2021年1月2日放送分

大楽
そうですね、去年行きましたよね。

田巻
あの場所はロボットの最先端基地なんですよね。

飯村さん
そうですね。今までお話したデータの収集であるとか、ロボットの操作というのは日進月歩の世界なので、常に研究開発は欠かせないと考えておりまして、そこでやはりロボットの最先端技術が集まる福島ロボットテストフィールドに拠点を構えて、我々も研究に参加させてもらってます。

大楽
研究開発って本当に大変だと思うんですけど、その中でも苦労されてる点ってあります?

飯村さん
すべてが……

大楽
全て大変でしょうね。

飯村さん
お金の問題とか、時間もかかりますし、作っても失敗しますし。

大楽
トライアンドエラーなんて当たり前じゃないですか。あとやることが0→1ですもんね。

飯村さん
ないところを作るためのロボットですから、おっしゃるように。

大楽
そうですよね。だって月面で、誰がそんなこと考えたって話じゃないですか、茨城の話になると。

飯村さん
そうですね。まあ食糧生産っていう考えですね。

大楽
どこでもそういう食糧を作れるようにしておこうということですね。

飯村さん
はい、おっしゃるようにそういうことがJAXAの目的でもありますね。

大楽
でも大変ですよね、今こうやってお話簡単にしていただいてますけど、元々農業ってここまでくるのに本当昔からじゃないですか。時代をさかのぼると縄文時代、弥生時代、弥生時代ぐらいから始まりますもんね。そこで作ってきたものを、ここ本当に10年、20年でロボット、そしてAIとかを活用して、じゃあやってもらいましょうってことじゃないですか。これはもう……

田巻
急に進化しましたね

大楽
ね。……ね、としか言いようがない、大変ですね。

飯村さん
はい。でもまあ産業革命と同じくらい変革が起きると思うんですね。

大楽
それって僕たちって、起こった後じゃないと実感がないじゃないですか。例えばこの言葉あったんですよって言われて初めて「ここの10年間でこんなに変わったんだ」って思うけど、その最中でゼロから積み重ねてる飯村さんとかからすると本当に大変ですよね。

飯村さん
はい、大変ですけれどもやはり、変えることで、農業が変われば、地域が変われば、私としてはやはり充実した仕事になるのかなと思ってはいます。

農業を楽に

大楽
最後に飯村さん、そして銀座農園さんとしての今後の夢、あればお聞かせいただけますか。

飯村さん
はい。実社会ではどんどん便利になって、人間として楽にライフスタイルを過ごしているんですけれども、農業だけはどんどん過酷になっているので、ここを変えたいですね。農業を楽にできる、素晴らしい作業に変えたいと思って、今ロボットを開発しておりますけれども、やはり人類の食糧生産というのは一番欠かしてはいけない要素だと思うんで、食糧生産をしっかりと、まあ言葉は悪いですけど「楽」にできれば、もっともっと食糧生産に力を入れる人が増えるだろうと思ってますのでそういうふうな社会を作っていきたいと思ってます。

大楽
楽にするって悪いことじゃないですもんね。

飯村さん
はい。悪いことじゃないと思います。

大楽
楽にするっていうとどうしてもネガティブなイメージでとらえがちですけど、農業に関してはかなり聞くと過酷なことがあると思うんですよね。そんな中でぜひ飯村さんに今後も頑張っていただきたいと思います。

飯村さん
はい。ありがとうございます。

大楽
2週にわたって銀座農園株式会社飯村一樹さんに、農業とロボットについてお話をお伺いしました。飯村、本当にありがとうございました。

飯村さん
ありがとうございました。ぜひ今度ロボットと一緒に作った農作物を食べてください。

大楽
いただきたいと思います。29度のシャインマスカットいただきたいと思います。

田巻
食べたい。

大楽
飯村さん本当にありがとうございました。

田巻
ありがとうございました。

エンディング

先週今週と銀座農園株式会社飯村一樹さんをお迎えして、農業とロボットの話をお伺いしました。

まさか宇宙でそんなね、農業をなんて話がさ、進んでるとはわかんなかったよね。

そうですよ。宇宙にまでいってしまったんですね。

飯村さん曰く、「産業革命と同じくらいのことが起きる」って言ってましたからね。

言ってましたね。もしかしたら30年後の教科書にこれが載るかもしれないっていうことですよね。

載るといいね。
それよりも僕は田巻さんが、通常は糖度20度のシャインマスカットが29度って聞いた時にすごい目を輝かせてたのが僕は忘れない。

あれほんとに食べたいんですけど、もう何か終わっちゃったらしいんですよね。

収穫時期がね。だからまた後今年ですね。

今年ちょっと収穫時期になったら連絡……

いやらしいな。

ほんとに食べたい。

わかりました。まあそれだけではなくてね。こうやって興味を持つことは大事なことですからね。

はい。