【銀座農園】2021年1月16日放送分

大楽
おはようございます。FirstMaker~希望のストーリー~。大楽聡詞です。この番組は、新しい時代を切り開き、日本に新たな産業を起こそうとしている企業や研究者にスポットを当て、彼らが目指す未来をお聞きし、震災の復興、そして新しい産業のリアルタイムな情報をリスナーの皆さんに感じてもらおうという番組です。

そして番組アシスタントはこの方。

大学3年生、田巻果奈です。よろしくお願いします。

大楽
よろしくお願いします。さて、今月から岩手、宮城、福島、茨城そして千葉と、太平洋沿岸地域の皆さんにもお届けしています。まず僕たちのあの自己紹介してなかったので改めてさせて頂きますと、僕は福島県いわき市出身です。普段はラジオだけではなくて、テレビや CM のナレーター、そしてイベント MC 、実況などをしています。そしてアシスタント MC は、

田巻
はい、同じく福島県いわき市出身、田巻果奈です。今は都内の大学で経営学を勉強しています。今年の4月で4年生。将来のことも考えながら、この番組で社会のこと、未来のことを勉強していきます。皆さんよろしくお願いします。

大楽
そんなわけでこの二人が、福島をはじめ各地で未来の日本、特にロボットやドローン、AI など次世代技術について先端を走る皆さんのお話をお伺いしていきます。ちなみに過去の放送内容もブログに掲載しています。是非ご覧ください。
さて今週は農業のお話です。テクノロジーの力を使って農業のあり方もものすごく進化しているんです。

今日のゲスト:銀座農園株式会社 飯村一樹さん

大楽
今日は銀座農園株式会社の代表取締役飯村一樹さんをお迎えしました。飯村さんよろしくお願いします。

はい。よろしくお願いします。

田巻
お願いします。

大楽
銀座農園さんは、ロボットテクノロジーを活用したEV農機 の開発をしています。

銀座農園株式会社
https://smart.ginzafarm.co.jp/

飯村さんは1997年日本大学生産工学部を卒業、不動産関連企業に入社し一級建築士登録。2001年金融のベンチャー企業を経て2007年銀座農園株式会社を設立しました。金融のベンチャーで働いた後に農業機械の会社を立ち上げる……これ結構ユニークですよね経歴として。

飯村さん
はい、ちょっと普通ではないかもしれないですね。

大楽
ちょっとどころじゃない、めちゃめちゃ普通じゃないですよ。 全く違いますもん。

田巻
珍しいですよね。一つ聞いていいですか?

大楽
どうぞ。

田巻
銀座ってあの東京のど真ん中の銀座ですよね?その銀座と農業ってあまり繋がらないように思うんですけれども。

飯村さん
そうですね、確かにその本社は東京都中央区銀座にありますけれども、農園自体は昔はあったんですが今はありませんで、今は本社とそういう事業を行ってる場所だけですね。

田巻
昔は銀座に農園もあったってことですか。

飯村さん
はい、2009年に1年間だけ駐車場を潰して水田を作って。合鴨を放して。

銀座に「田んぼ」を作った男が描く農産物直売所の未来
https://diamond.jp/articles/-/150893
銀座のど真ん中に水田-「銀座米」づくり始動、地元小学生が田植え体験
https://ginza.keizai.biz/headline/936/

大楽
合鴨?あ、僕なんかそれ見たことある。

田巻
合鴨って何ですか。

大楽
鳥、鳥。合鴨を放してですよね。

飯村さん
はい。合鴨農法で。かなりメディアとかに。

大楽
見ました僕。有楽町のところ。

飯村さん
有楽町に近いところ。銀座一丁目のところで。

大楽
なぜそういうことをそこで仕事したんですか。

田巻
ほんとに。

飯村さん
お恥ずかしい話、2007年とか2008年は今みたいに農業が盛り上がっておらず、我々も相手にされなかったんです、一切合切。新しく農業をやりますと言ってもですね、既存の農家の方々は「胡散臭いぞお前ら」ということで、一大決心をして、駐車場を借りてきて。

大楽
すごい。

田巻
銀座で。

飯村さん
はい。でダンプで水田の土を実家から2台、ダンプで持ってきて。

大楽
ちなみに実家どちらですか。

飯村さん
茨城県下妻です。

大楽
下妻からダンプ2台分を運んで来たんですか。

飯村さん
はい。

田巻
銀座まで。

飯村さん
はい。

大楽
すごいですね。

飯村さん
合鴨を3匹そこに放して、米作りをちゃんと行ってました。

大楽
でも一年間で。

飯村さん
一年間。

大楽
どうして一年間で終わっちゃったんですか。

飯村さん
家賃が高かった。

大楽
ですよね。

田巻
いやあそりゃそうですよ。

大楽
多分その分のお米ができなかったと思うんですよね。

飯村さん
全然ですね。ご飯茶碗一つで確か200万円ぐらいの。

大楽
ご飯茶碗で200万。一粒何千円ってぐらいな感じですか。

田巻
すごい価値。

飯村さん
その土地が16億円くらいで売買されてる土地を我々借りたのでですね、家賃を70万払ったんです。

大楽
なるほど。

田巻
すごいですね。

大楽
すごいな。同じ時期に有楽町駅でマルシェもされませんでしたか。

飯村さん
はい。その水田に興味を持った農家がもうわんさかわんさか、毎日のように農場を見に来てくれて。だから今までは我々が田舎の農家に行っても相手にされなかったんですけど、そこまで真剣に水田をやると、皆さん来てくれるんですね。

田巻
確かに。注目されそう。

大楽
ねえ。だって200万円、でしょ。それをみんな見に来るわけですよね。すごい。チャレンジャーですね。

飯村さん
そこで名刺がもうどんどんたまっていったので、その方々の販売拠点を作ろうということで有楽町の駅前にマルシェを作って

田巻
なるほど。

大楽
そのマルシェ自体っていうのは、そこで果物とかを販売してるんですか。

飯村さん
販売してます。今も毎日開催しておりますので。

大楽
なるほど。そんな中でですね、銀座農園さんは農業機械の会社ということですが、ロボットを使った農機具の開発なんですか。

飯村さん
はい。農家が行うべき作業を代替するようなロボットを作ってまして、と言っても人形ではなくて箱型で、動きながらデータを取ったり草を刈ったり掃除をする、こういうロボットを作ってます。

大楽
その前に一つだけお伺いしてもよろしいですか。

飯村さん
はい。

大楽
なんで金融のベンチャーのお仕事されてた方が、農業分野に来たんですか。

飯村さん
そうですね、あの金融時代はわりと裕福と言うか、

大楽
まあ安定してたってことですよね。収入とかも。

飯村さん
安定して株式公開してまあお金もあったり、そういう20代過ごして、ちょっとこのままでいいのかなと。

大楽
そのままずっと行くのではなく。

飯村さん
はい。田舎の衰退を見ててですね、もう少し田舎に貢献してみようかなと思ってそれで30歳の時飛び出したっていうんですかね、金融から飛び出して農業に行ってみようと。

大楽
すごいなあ。

田巻
すごいですね。

大楽
僕もしも同じ立場だったらイケイケどんどんでそのままずっと行こうと思いますよ。

田巻
それが普通ですよね。

大楽
普通だと思うんですけど、そこで農業に踏み込んだところが素晴らしいと思いますね。

飯村さん
ありがとうございます。

大楽
経歴とかも、建築士から金融行かれて銀座農園設立ということですもんね。

飯村さん
はい。2007年に設立をしたんですけれども、さっき申し上げたように一切相手にされなかったので仕事もなくってですね、2年間本当暗黒の時代を過ごして。

田巻
暗黒。

大楽
なるほど。その暗黒の時代の後、畑を作られたのは。

飯村さん
2009年です。

大楽
じゃあ暗黒の時代を抜け出した時に畑を作られたんですね。

飯村さん
はい。

大楽
でもあれですよね、最近ですとテレビドラマ化された『下町ロケット』とか農業ロボットじゃないですか。ああいうのでやっとテレビドラマ化されたりとかして一般の方にも「あっなるほど農業ロボットね」ってイメージを持ちやすくなったんじゃないですか。

飯村さん
それは非常に大きいと思います。

大楽
あの後でどうですか、会社の方にも問い合わせであったりとか。

飯村さん
はい、問い合わせはいただいておりますし、名だたる大企業様とのパートナーみたいな話をたくさん頂いておるので、やはりそういうふうに社会的に認知されて来たかなとも思ってます。

大楽
そこまで来るのにやっぱりすごい、10年ちょっとかかったんですね。

飯村さん
はい。10年かかりましたね。

大楽
かかりましたよね。やはり飯村さんがやり始まった時っていうのはもうIT農業、ってので始まったとは思うんですけど、その時はもう先駆けじゃないですか。

飯村さん
比較的早いかもしれないですね。

大楽
農業分野って、IT 化とかAI の導入って必要なんですか。

飯村さん
そうですね、必要だと思います。経験則で運営されていますので――今までの農業はですね。経験した人もいなくなるとまたゼロから経験を積み上げないといけないという。高齢化に伴って素晴らしい経験を持ってる方がいなくなってしまうとその素晴らしい技術ってのが継承されないので、そういうものを継承するために ITとか、それを運用する AI というものは必要になってくる。

大楽
その技術って言うのをAIとかITとかそういうのを使って引き継ぐことって可能なんですか。

飯村さん
可能だと思います。すべてではないにしても、一定の領域は我々が作っておるロボットもそうなんですけども、人と同じように動いてデータを取ってきますので、例えば今までの農業の ITですと、ハウスの部分部分にセンサーをつけてその部分ぐらいのデータしか取れないんですけど、我々は農家と同じように動いてハウス全体のデータ化を進めていきますので、より農家に近いデータを蓄積できると。

大楽
それは例えば室温であったりとか水温であったりとか季節によっても湿度とかも変わるじゃないですか。そういったのを全部データ化してってことなんでしょうか。

飯村さん
そうですね、自動で動きながらデータを取っていって、で素晴らしい農家になると「この辺りは去年虫が湧いたな」ってのは分かるんです。

田巻
わかるんですか。

飯村さん
匂いとか。

大楽
ということは匂いとかもデータとして蓄積するんですか。

飯村さん
それはまだ難しいので、その虫が出るエリアのデータを毎年積み上げていくと、なぜ虫が出やすいんだったのかはわかると。今まではその農場長がなんとなく「ここは出るよね」みたいなところを理由が突き詰められずにパートさんがそこに来てもわからないんですね、アルバイトの方が突然来ても。

大楽
じゃあ先ほどおっしゃってたように長年やってる勘みたいなものですか。

飯村さん
はい。その勘を、データ化をしていかないとですね、後世に続いていかないと。

大楽
見える化ですね。可視化するってことですね。

飯村さん
はい。おっしゃる通りですはい。

大楽
そうすると、例えばですけど福島県産のりんごが食べたい、そういうのをもし将来的にデータが溜まった時に、プログラミングでですよ、2030年にすると、2031年に他のエリアでも似たようなものが食べられるってことになるんですかね。

飯村さん
理屈上は可能です。

大楽
そうなんですか。

田巻
へえ。面白い。

飯村さん
ハウスの中で温度とか、環境を、例えば沖縄で、ハウスの中を福島県と同じ環境にすることは理論上は可能です。日差しを調整したり、温度を調整したり、デジタルツインみたいな考えも農業に入ってくる時代もいずれくると思います。

田巻
へえ~~面白い。色々変わってきますね、じゃあ。

大楽
てことは僕たちが見えないところで飯村さんはそういったことを、ビッグデータを集めたりとか、そういったことをされてる会社ってことですもんね。

飯村さん
そうですね、はい。研究開発は常にしております。

大楽
さあ、色々ですね、飯村さんにお話を伺いしましたが後半は日本の農業をどのように変えるのかお話をお伺いします。

農業ロボット FARBOT

大楽
今日は銀座農園株式会社飯村一樹さんにお話をお伺いしています。飯村さん、農業、農家の経験をデータ化するメリットは農家の高齢化を解消するというお話もありましたが、銀座農園さんの取り組みというのはそれだけではないんですよね。

飯村さん
はい、弊社ではファーボットという農業ロボットを開発しておりまして、そういうものを農家の方に提供しております。ファーボットは作業もある程度ですね、代替するようなロボットでありますので、人もなるべく無人の農業を近づけたいと思って、人がいなくてもできる農業にしたいと考えているので、そういう機能開発をしております。

大楽
このファーボットというのは飯村さんのその銀座農園さんが発売してる農業ロボット。

飯村さん
はいそうです。箱にタイヤがついていて、自動で動き回る箱型ロボットですね。

大楽
これはどういう動きと言うか、してるんですか。

飯村さん
リモコンで動くバージョンと、あとは自動でレーザーで距離を測りながら自動で動く機能が付いています。で、ハウスの外ですと GIS と言ってあの衛星から信号をとって自動で動くそういう機能もつけておりますので人が操作しなくても動けるような機能を今つけています。

大楽
これはデータを収集する機械なんですか。

飯村さん
データも収集します。あとは草を刈ったり掃除をする。意外に大変なんです、草刈ったりゴミ掃除をするってのは。

大楽
確かに。枯葉とかそういうのも全部掃除してくれるということですもんね。

飯村さん
はい。ブロワーで吐き出して。あのよく公園で高齢者の方が音を鳴らしながらブーブーブーブー。

大楽
はい、やっていただいてます。

飯村さん
あれを電動化することで無人で音がなく静かに公園で落ち葉を掃いたり草を刈ったり。

大楽
ということは、ファーボットデータを収集するアシスタント的なロボットってことですか、農業の。

飯村さん
はい。アシスタントをコンセプトにして一つのファーボットで色々な機能をつけるマルチユースという考え方を持っていて、一つの箱型ロボットで何ができるかってのを常に突き詰めて。アタッチメント取り替えて草刈りの台座をつけて草刈りできる、もしくは農薬散布のノズルも取り外しをしてつけられれば、1台のロボットがあれば様々な機能が使える、こういうロボットを目指しているんですね。

大楽
なるほど。ということは、じゃあ僕たちが今持ってるスマートフォンみたいな感じですか。アプリを入れ替えると、いろんな機能というかいろんなことができますよというのと近いってことですか。

飯村さん
はい、発想は全くスマートフォンなんです。ソフトウェアを常にアップデートしていきながら、走行機能であるとか色々なデータ通信の機能を改善してこうと思って考えておりますので、とにかく農家の方一人に1台もしくは一人で複数台の利用できるようにすれば、一人で5台持てば5倍の生産量が上がりますので。

大楽
すごいですね。

飯村さん
そういうコンセプトのロボットを今。

田巻
じゃあその1台で農作物の管理をされているということですか。

飯村さん
はい。管理をするための。あとは雑用ですよね。草刈りとか農薬散布、農薬散布は雑用じゃないんですけど、掃除をしたり。結構疲れるんです、作業終わった後に掃除したり、草を。

田巻
収穫のお手伝いとかもするんですか。

飯村さん
収穫は今実は福島県の南相馬の方で研究開発はしています。将来はそこまで行きたいと考えていますがまだ現在は道半ばというところです。

大楽
スマートフォンと同じですからやっぱり途中でアプリを加えることによってそういう機能も将来的には。

田巻
収穫までできちゃったらすごいです。ちなみに運搬とかは。

飯村さん
運搬はできます。ロボット自体小さい、60cmぐらいのサイズなんですけど、人を乗せて普通に動きますので。

田巻
人を乗せて。

大楽
どのぐらいまでその、重量的にはどのくらいまで乗せることができるんですか。

飯村さん
今100kgです。

大楽
すごいなあ。ちなみにこのファーボットって実用化というか販売はされてるんですか。

飯村さん
はい、昨年の9月から販売が始まりましたので、今年の春、いろいろプロモーションを仕掛けて行こうと考えています。

大楽
なるほど。じゃあ是非 MC とかの仕事があれば僕に言っていただいて。

飯村さん
よろしくお願いします。

田巻
いい声なんで。

大楽
ちなみにそのファーボットのお値段っておいくらぐらいなんですか。

飯村さん
安いファーボット、一つの、単体機能で50万円。でデータタイプでも90万円いかないぐらいですね。

田巻
意外と。

大楽
意外とですね。

飯村さん
我々のコンセプトも100万円は絶対行かないロボットを作ると。

大楽
すごい。僕もうロボットって聞くと大体もう500万とか、1000万クラスかと思ってたんですけど、そこまでじゃないんですね。

飯村さん
そこは絶対行かないように。あともしくは今レンタルで月3万円から使えるようにという。

大楽
ちょっと機能のいいスマートフォンじゃないですか。

飯村さん
そうですね、はい。コミュニケーションもそこで取れますので。ちょっとしたスマートフォンみたいな位置づけにはしたいと思ってます。

大楽
まだまだ気になるお話伺っていきたいと思います。続きはまた来週ですねお伺いしていきたいと思います飯村さんよろしくお願いいたします。

飯村さん
はい。ありがとうございました。

エンディング

今週は銀座農園株式会社飯村一樹さんをお迎えして農業とロボットのお話をお伺いしました。

いかがでしたか。

びっくりでしたね。農業とロボットを組み合わせた発想なんて今までなかったんで、AI が進んでロボット化していく中で、農業も楽して作って行けるって言うのがいいなって思いました。

なるほどね、農業のイメージってどうしてもやっぱり苦労すると言うか、体力勝負みたいな感じがあったもんね。朝から日が暮れるまでみたいなね。

それに加えて高齢の方が多いイメージだったんで、さらになんか苦労がいっぱいあると思うんで、それがますます便利になってって、なんか若者の方も農業やりたいって言って増えていけばいいなって思います。

なるほど。僕はやっぱり飯村さんが20代金融ベンチャーで成功したんだけど、その後衰退した田舎を見て農業でこう元気にしたいってあの気持ちがね、僕は嬉しかったですね。

ほんとですね。